研究課題/領域番号 |
19H04019
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
宮崎 美智子 大妻女子大学, 社会情報学部, 准教授 (90526732)
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研究分担者 |
浅井 智久 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 主任研究員 (50712014)
麦谷 綾子 (石塚 綾子 / 麦谷綾子) 日本女子大学, 人間社会学部, 准教授 (70447027)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | 身体地図 / 自己像 / 発達 / 自己 / ゲーミフィケーション / マークテスト / 運動解析 / 身体表象 / 身体像 |
研究開始時の研究の概要 |
鏡を見て鼻を触るとき、見えない身体部位の位置を把握する固有感覚ベースの身体地図が働く。その発達過程の検討は、これまで観察主体でしか行われてこなかった。本研究では、ゲーミフィケーションを取り入れ、幼児の身体地図の発達を定量的に評価できる新たな課題を開発、評価する。具体的には、自己映像の身体各部位に拡張現実(AR)を用いてマークを表示し、幼児が実物の自己身体に対応づけて当該部位を定位できるかを評価する。また、自己映像身体部位定位における他者身体への参照の役割も検討する。幼児期初期に特有の自己/他者身体表現獲得の発達過程と獲得メカニズムに迫る。
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研究成果の概要 |
マークテストは有名な自己認知の指標である。だが、身体的自己表象の評価には用いられてこなかった。本研究では、マークテストに骨格検出と拡張現実を組み合わせた新課題を開発し、子どもの身体表象とその発達の新たな側面研究した。30か所の身体部位にリアルタイム骨格検出にもとづく仮想マークを表示し、30名の2~3歳児にその定位をさせた。その結果、定位エラーは動的な身体部位の協調によって予測できると分かった。3歳児は視覚誘導されたリーチングではなく、高速で予測的なリーチング(フィードフォワード制御)を示した。我々の新課題におけるリーチング方略を分析することで、感覚運動的身体表象の発達過程が明らかにされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々が開発したXRマークテストは古典的マークテストの新たな可能性を提供し、自己身体表象の発達を評価する有効な方法となる。また、身体的自己認識の発達に関する知見に加え、本研究で用いたAI統計学的アプローチは、認知科学の発達分野への大きな貢献をもたらす。身体部位の協調とリーチングの軌跡の分析を通して、子どもの内部モデルの出現と予測的リーチングを検出する方法を提供した。この方法論は、他の発達領域にも応用できる可能性があり、感覚運動と認知過程の発達に関する新たな洞察を明らかにするために役立つ。認知科学発達分野におけるAIと統計学の統合は、人間の発達の理解を進める上で大きな可能性を秘めている。
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