研究課題/領域番号 |
19H04033
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
下川 功 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (70187475)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 老化 / カロリー制限 / 炎症 / FoxO転写因子 / Inflammasome / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、カロリー制限(Calorie Restriction, CR)による長寿命化機構を解明し、ヒトの老化及び関連疾患の制御に応用することを目指す。我々は、 Forkhead box O (FoxO) 転写因子ファミリーの一つであるFoxO3がCRの寿命延長効果に、 FoxO1が腫瘍抑制に必要であることを報告した。一方、老化や癌の進展に、細胞レベルにおける軽微だが慢性的な炎症が関与していることが知られている。本研究では、マクロファージ特異的F oxo3、Foxo1遺伝子欠失マウスを用いて、FoxO3, 1を介したCRの老化と癌の制御におけるマクロファージの役割を解明する。
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研究成果の概要 |
カロリー制限(CR)の抗老化機構におけるFoxO1及びFoxO3転写因子の役割、特に炎症抑制に着目し、研究を行なった。まず、骨髄球系細胞特異的にFoxo1あるいはFoxo3遺伝子が欠失するマウスを作製し、野生型マウスとともに自由摂食(AL)、CR環境下で飼育した。細胞レベルでの炎症の指標となるInflammasomeの活性化を腹腔内マクロファージにおいて解析した。Inflammasomeの活性化は、CRによって抑制されること、AL飼育下では、Foxo1欠失によって活性化が減弱し、炎症ストレス耐性が増強することを示した。今後、CR条件下でのFoxO1、FoxO3の役割をさらに検討する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
軽微だが慢性的に持続する細胞レベルの炎症が老化や関連する疾患の発症を促進すると考えられている。本研究は、実験動物だけではなくヒトにも応用可能と期待されるカロリー制限(CR)の抗老化効果が、細胞レベルにおける炎症を抑制することを示唆した。この成果は、CRの抗老化効果の分子メカニズムを解明するうえで、学術的な意義が高いこと、また、自由摂食下では、炎症細胞におけるFoxO1の減弱が抗老化効果を生み出す可能性を指摘し、それを老化や関連疾患の制御に応用できることを示唆した点は、高齢化社会における健康寿命延伸に貢献する上で、社会的意義は大きい。
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