研究課題/領域番号 |
19H04036
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
|
研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
越阪部 奈緒美 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (30554852)
|
研究分担者 |
平 修 福島大学, 食農学類, 教授 (30416672)
安達 貴弘 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, ジョイントリサーチ部門准教授 (50222625)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 渋味 / ポリフェノール / 中枢神経 / 自律神経 / 脳腸相関 / 脳機能 / 神経伝達物質 / 覚醒 / 食品機能性 / 機能性食品 / 辛味 / ストレス応答反応 |
研究開始時の研究の概要 |
食品機能成分は長期間にわたって摂取され健康の維持増進に寄与するが、メカニズムの多くは未だ不明であり、解明のためにはこれまでと異なった発想や手法が必要であると考えられる。そこで本研究では、機能成分が有する渋味・辛味といった特異的味シグナルが、全身に張り巡らされた神経ネットワーク、すなわち消化管・脳・末梢臓器軸を介して機能性を発現することを最新の神経生理学的手法を用いて解明する。具体的には、申請者らが独自に開発したintravital Ca2+イメージング法や質量顕微鏡法と、in situ hybridization法や神経薬理学的試験法とを併せて用いることで、特異的味シグナルと神経ネットワークのクロストークを初めて明らかにする。
|
研究成果の概要 |
本研究では、渋味ポリフェノールが消化管・脳・末梢臓器軸を介して機能性を発現することを神経生理学的手法を用いて解明することを目的とした。モデル化合物としてflavan 3-olsを用いて、マウスに摂取させたのちの神経伝達物質の挙動をMSイメージング法やin situ hybridization法を用いて検証した。その結果、flavan 3-olsは青斑核-ノルアドレナリン神経網を活性化し、視床下部に投射し覚醒を誘導し、脳幹に投射し交感神経活動を亢進することが示された。交感神経活動の亢進により、尿中カテコールアミン排泄量の増加、白色脂肪細胞のベージュ化、骨格筋肥大が惹起されることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ポリフェノールに特異的な渋味刺激が摂取後すぐに脳内神経伝達物質を大きく変化させ、これらの変化が脳や自律神経を調整して生体に様々な有益な変動をもたらすことを世界に先駆けて見出した。これらの知見は、食品の機能性に対する新たな認識をもたらすとともに、機能性食品の開発における発想を転換させ、食品機能研究のパラダイムシフトを先導する。
|