研究課題/領域番号 |
19H04041
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
|
研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
牛山 明 国立保健医療科学院, その他部局等, 部長 (60291118)
|
研究分担者 |
小笠原 裕樹 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (20231219)
中舘 和彦 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (80372895)
稲葉 洋平 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (80446583)
服部 研之 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (90306663)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
|
キーワード | 加熱式たばこ / 肺胞マクロファージ / バイオイメージング / 微小循環 / 健康影響 / 動物実験 / マクロファージ / 酸化ストレス / 肺 |
研究開始時の研究の概要 |
加熱式たばこの健康影響について科学的エビデンスが求められている。加熱式たばこの主流煙の分析では多くの有害化学成分が低減しているが、加熱式たばこが従来の燃焼式たばこより健康リスクが低いことを示したエビデンスは存在しない。 本研究では、吸引した煙(エアロゾル)に直接晒される臓器である肺に着目し動物実験を行い、加熱式たばこによる生体影響をあきらかにすることを目的とする。実験では急性炎症反応を、肺胞・肺血流の変化、血管内皮障害、及び肺胞マクロファージの挙動に注目して明らかにすると共に尿等に含まれる喫煙関連物質・酸化ストレスマーカーを化学分析し加熱式たばこの生体への負荷を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
我が国において加熱式たばこの利用者が増加傾向にあり、特に若年層、女性においてはその傾向が特に強い。加熱式たばこに関しては、有害化学物質が低減されたことをメーカーは宣伝しているが、どの程度の健康影響があるかは明らかではない。 そのため基礎的なデータの蓄積が必要であるが、従来の燃焼式たばことは煙の発生機序が異なるため、燃焼式たばこで使われている動物用のばく露装置では煙の成分(加熱式たばこにおいてはエアロゾル)が十分に動物に送達できない問題があった。本研究では、加熱式たばこの特性に基づくばく露装置を開発し、マウスにばく露した際のニコチンおよびその代謝物を測定することで、たばこ成分が適切にばく露されていることを確認し、生体影響評価に活用できることを確認した。 この装置を用いてマウスにIQOS主流煙のばく露を行い、肺胞マクロファージに誘導される酸化ストレスと形態変化を明らかにした。また短期的なばく露であっても血漿の一部のサイトカイン濃度に影響を認めた。 また、肺の微小循環動態を観察するための肺ウィンドウ法を開発した。そして主流煙のばく露時に、肺微小血管の血流動態をリアルタイムイメージングを行い、喫煙時の即時的影響の評価することができる新たな手法の有用性を提示した。 本研究で行った一連の実験により、加熱式たばこの健康ハザードの同定と、リスク評価に繋がるエビデンスを集積するための実験、評価系が確立され、その利用により更なる研究の発展が期待される。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和2年度は新型コロナウイルスまん延により、研究が計画通り実施できず大幅に遅れが生じてしまったが、令和3年度は実験を推進できたため、その遅れも取り戻すことができた。また、加熱式たばこばく露後の生体試料の酸化ストレスや、サイトカインの分析も進めることができた。論文発表や学会発表も行うことができた。以上より、3年目を終えて当初の計画通り研究が大きく進んでおり「おおむね順調に進展している」と判断できる。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度は最終年度にあたることから、これまでに測定していない指標についても検討を加えて、加熱式たばこのハザード評価およびリスク評価に資する研究を実施したい。また合わせて研究論文の発表も推進したい。
|