研究課題/領域番号 |
19H04046
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山口 良文 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (10447443)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
|
キーワード | 冬眠 / 骨格筋 / 生理学 / 哺乳類の冬眠 / シリアンハムスター / 筋萎縮 |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類の冬眠は、食料の枯渇する厳しい冬季を、熱産生・代謝を能動的に抑制することでエネルギー消費を抑え、長期生存を可能とする生存戦略である。冬眠モデル哺乳類であるシリアンハムスターは、数ヶ月にわたる冬眠の間その殆どを低体温の不動状態で過ごすにもかからず、その骨格筋量は維持される。そこで本研究では、シリアンハムスターが冬眠期の不動下にも関わらず筋量を維持する機構の解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究では、冬眠哺乳類シリアンハムスターが、冬眠に適した体へと全身を作り替える過程で生じる骨格筋変化を明らかにした。具体的には、1)シリアンハムスターは非冬眠期から冬眠期にかけて骨格筋量を減少させるが、冬眠期の不動状態の間は骨格筋量を維持することを同定した、2)冬眠期のふるえ熱産生に働く広背筋における筋繊維の分布と、その冬眠における変化の詳細を明らかにした、3)遺伝子発現プロファイルから冬眠期骨格筋の性質規定に関わると予想される候補遺伝子群を抽出しその機能解析の準備を行った。これらの知見は冬眠哺乳類の筋萎縮耐性機構に迫る礎となる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で明らかになった広背筋の質・量と筋繊維組成の変化は、シリアンハムスターの骨格筋で生じる冬眠に適した状態への変化を定量的に記載する礎となる。この礎ができたことにより、今後さまざまな遺伝子機能操作を行なった際の効果判定が容易となり、「冬眠能の可塑的リモデリング」機構に迫れるようになる。これにより、通常冬眠不能状態にあるヒトなどの非冬眠動物に対しても、冬眠能を構成する性質を部分的にでも誘導し活用ですることで、寝たきり等による筋萎縮を防止する方策の立案につながると期待される。
|