研究課題/領域番号 |
19H04054
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
二川 健 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (20263824)
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研究分担者 |
曽我部 正博 名古屋大学, 医学系研究科, 研究員 (10093428)
東谷 篤志 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (40212162)
小林 剛 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (40402565)
平坂 勝也 長崎大学, 海洋未来イノベーション機構, 准教授 (70432747)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2019年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | ロコモティブシンドローム / 筋萎縮 / ミトコンドリア / MAM / アコニターゼ / 抗酸化栄養素 / 酸化ストレス / メカノシグナル / ニュートリションシグナル / ROSシグナル / mitofusin2 / 尾部懸垂 / NAC / ROS signaling / Calcium inflax / Mitofusin2 / UCP3 / メカノセンシング / メタボリックシンドローム / 廃用性筋萎縮 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、我々は、無重力や寝たきりによる筋萎縮(廃用性筋萎縮)では、筋細胞内に蓄積した酸化ストレスが、ミトコンドリア関連小胞体膜(Mitochondria-associated ER membrane:MAM)構造を破綻させ、萎縮を誘導する可能性を示した。本研究では、この酸化ストレスの発生源がMAM上に存在するNADPH oxidase (NOX)であることを明らかにする。 つまり、機械的ストレス(メカノ)や過栄養(メタボ)による酸化ストレスの蓄積からミトコンドリア関連小胞体膜(MAM)の破綻に繋がるシグナル、いわゆる“MAM-ROS signaling”とも呼ぶべき新規の筋萎縮シグナルを同定する。
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研究成果の概要 |
クリノローテーションは、アコニターゼ活性を阻害するとともに、ユビキチン・プロテアソーム系タンパク質分解経路を亢進させた。NAC処理は、この阻害されたアコニターゼ活性を回復し、ユビキチン・プロテアソーム系タンパク質分解経路を抑制した。さらに、NAC処理は、クリノローテーションで増加するミトコンドリアの分裂を抑制した。 次に、2週間の尾部懸垂に供したマウスに0.3%のNAC液を飲水させ、筋委縮の抑制効果を調べた。NAC液を飲水したマウスの後肢筋は、水を飲水した群と比較して、有意に筋萎縮とが抑制された。アコニターゼは、萎縮筋内に蓄積する酸化ストレスのターゲット酵素の可能性が高いと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ロコモティブ症候群とメタボリック症候群をオルガネラ連関の観点からとらえた研究は、本研究が初めてであった。本研究により、“不活動による筋萎縮も高血糖による筋萎縮もミトコンドリアと小胞体のオルガネラ連関(MAM構造)の破綻に起因したミトコンドリア代謝異常、とくにMAM構造の破綻から生じる酸化ストレスによるアコニターゼの活性低下である”という新しい概念を提唱できた。その成果は、機械的ストレスやエネルギー代謝異常の感知機構(メカノセンサーやエネルギーセンサー)の解明にとどまらず、抗酸化栄養素の持続的な投与による筋萎縮の治療に合目的な証拠を与えることができた。
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