研究課題/領域番号 |
19H04085
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60050:ソフトウェア関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
増澤 利光 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (50199692)
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研究分担者 |
角川 裕次 龍谷大学, 先端理工学部, 教授 (80253110)
首藤 裕一 法政大学, 情報科学部, 准教授 (50643665)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 分散システム / 分散アルゴリズム / 動的ネットワーク / 不確かな情報 / 大域タスク |
研究開始時の研究の概要 |
大規模動的ネットワークで動作する分散システムでは,各ノードが情報を収集する間にネットワーク環境が変動しうる.このため,収集した大域情報が最新ではなく不確かな可能性があり,このことが大規模動的ネットワークでの大域タスクの実現を困難にしている.そこで本研究では,収集した情報の不確かさに着眼した,大規模動的ネットワークの新たなモデル化を行い,大域情報の不確かさが大域タスク実現の困難さ(正確性や効率)に与える影響を解明することを目的とする.さらに,不確かな大域情報がもたらす困難性を克服するための分散アルゴリズムの技法を開発し,実用的な分散アルゴリズムの効果的な設計法の確立を目指す.
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研究実績の概要 |
大規模動的ネットワークで動作する分散システムでは,各ノードが情報を収集する間にネットワーク環境が変動しうる.このため,各ノードが収集した大域情報は不確かさを伴う.そこで本研究では,不確かな大域情報を前提とする分散アルゴリズムの新たな理論的基盤の確立を目指す.これまでに,以下の課題に取り組み,一定の成果を得た. 1.ノードが収集した大域情報の不確かさを反映した新たなモデルの提案:動的ネットワーク環境において,各ノードが利用可能な情報を局所的な情報に限定したモデルを提案した. 2.大域タスクが実現できるために必要な大域情報の正確さの度合の解明:大域タスクを実現するには,各ノードにおいてどのような大域情報がどの程度の正確さで利用できればよいかの解明を目指した.訪問ノードで情報を収集し,得られた不確かな大域情報を利用してタスク処理を行うモバイルエージェントに関する研究を進めた.また,2次元平面上のモバイルロボット群の集合問題について,ロボットの視野に欠損がある場合のアルゴリズムに関する研究を進めた. 3.大域情報の範囲や正確さの度合いが,大域タスクの達成可能な正確性や効率に及ぼす影響の解明:大域情報の範囲や正確さの度合いが,実現できる大域タスクの正確性や効率に与える影響の解明を目指した.動的ネットワークの一種である個体群プロトコルモデルに関する様々な研究を進めた.各個体が持つ情報量と大域性をうまく制限することにより,最も基本的かつ重要な問題であるリーダ選挙問題を超高速に解くアルゴリズムを開発した. 4.不確かな大域情報を前提とする分散アルゴリズムの設計フレームワークの確立:動的ネットワークにおいて大域タスクを実現するフレームワークの基盤として,大域的あるいは局所的にいくつかのプロセスを選出する自己安定分散アルゴリズムに関する研究を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,以下の研究テーマに取り組み,「研究実績の概要」に述べたよう,一定の成果を上げることができた.そのため,おおむね順調に進展していると考えている. 1.ノードが収集した大域情報の不確かさを反映した新たなモデルの提案 2.大域タスクが実現できるために必要な大域情報の正確さの度合の解明 3.大域情報の範囲や正確さの度合いが,大域タスクの達成可能な正確性や効率に及ぼす影響の解明 4.不確かな大域情報を前提とする分散アルゴリズムの設計フレームワークの確立
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今後の研究の推進方策 |
大規模動的ネットワークで動作する分散システムにおいて,各ノードが収集した不確かな大域情報を前提とする分散アルゴリズムの可能性を追求することによって,現実的な環境で大域タスクを実現する分散システムの新たな理論的基盤の確立を目指す.次年度には,当初の予定通り,以下の課題に取り組む. 1.ノードが収集した大域情報の不確かさを反映した新たなモデルの提案 2.大域タスクが実現できるために必要な大域情報の正確さの度合の解明 3.大域情報の範囲や正確さの度合いが,大域タスクの達成可能な正確性や効率に及ぼす影響の解明 4.不確かな大域情報を前提とする分散アルゴリズムの設計フレームワークの確立 5.大規模動的ネットワークに対して得られた知見の社会的ネットワーク分析などへの応用
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