研究課題/領域番号 |
19H04094
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡部 寿男 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (20204018)
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研究分担者 |
中村 素典 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (30268156)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2019年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | Intent-Based Networking / SDN / 機械学習 / Network Modeling / ネットワーク管理自動化 / Intent Based Networking / パッシブ計測 / Lomb-Scargel法 / TCP輻輳制御 / DDoS攻撃 / 人工知能 / ネットワーク最適化 |
研究開始時の研究の概要 |
ネットワークに何(What)を行わせようとしているかを高い抽象度の「意図」(intent)として記述し、それに従って各ネットワーク機器の設定を自動的に生成するIntent-Based Networkingにおいて、さらに管理者がネットワークの設計や運用において行っている判断を人工知能に学習させ、明示的に記述が困難な諸条件を学習データとして抽出し、システムに組み込めるようにすることで、大規模ネットワークの設計と運用、管理を真に自動化し、管理者の負担を軽減する技術を研究開発し、システムとして実装して、有効性を評価する。
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研究実績の概要 |
本研究で考える意図は、静的でプロアクティブなものだけでなく動的でリアクティブなものも含む。具体例として、ネットワークがDDoS攻撃を受けた際の管理者の意図とそれに基づくネットワーク制御の作業フローへの落とし込みを考えているが、まず管理者がネットワークの異常を検知した場合、それがDoS攻撃を受けたことによるものか、それともハードウェアの障害やソフトウェアの誤動作、あるいはDDoSと識別が難しいいわゆるフラッシュクラウドと言われるアクセス集中による輻輳など、管理者はまず原因を推定した上で対応を考える必要がある。そこで、ネットワークの中間ノードにおいてTCPフローをパッシブ計測し、そのふるまいにより上流で生じている障害の原因の推定を行うことについて、前年度に引き続き研究を進めた。。TCP の輻輳制御の周期性に着目し、ヘッダから得られる情報の時系列データをLomb-Scargle法を用いてスペクトル分析し、周波数空間に落とし込む。そこから得た強い周波数成分を特徴量とし機械学習を用いることで、ネットワークの状態を推論する。それらの情報を総合的に判断することでフローが共通に経由する上流ネットワークの経路上で起きている性能低下の原因の特定を試みる。この手法を用いるためには機械学習のための訓練データを準備する必要があるが実ネットワークで性能低下の原因が特定できる状況は稀であり、教師ありデータを用意するのは容易ではない。そこでテストベッドとしてネットワークにおける様々な事象をNS-3 によりシミュレーションすることで、機械学習に必要となるデータセットを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
観測点を設定して複数のTCPフローをパッシブ計測し、ヘッダに格納されている情報をフローごとに解析する。それらの情報を総合的に判断することでフローが共通に経由する上流ネットワークの経路上で起きている性能低下の原因の特定を試みる。TCP の輻輳制御の周期性に着目し、ヘッダから得られる情報の時系列データをスペクトル分析し、そこから得た強い周波数成分を特徴量とし機械学習を用いることで、ネットワークの状態を推論する。以上が年度当初に設定した今年度の課題であり、これについては一応の成果を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
TCPの輻輳制御の周期性に着目し、ヘッダから得られる情報の時系列データをスペクトル分析し、そこから得た強い周波数成分を特徴量とし機械学習を用いることで、ネットワークの状態を推論する、という前年度の方針を継続し、高精度化を図る。
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