研究課題/領域番号 |
19H04126
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60100:計算科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鮫島 俊哉 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (00298192)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 計算力学 / 数値計算手法 / 振動学 / 音響学 / 楽器 / 数値計算法 |
研究開始時の研究の概要 |
幾つかの楽器について,精密な振動・音響モデリングに基づきその物理的動特性の支配方程式を構築する。その支配方程式の解を得るために,小さい計算負荷で格段に高精度な数値解が得られるスペクトル法を導入する。これらにより,楽器の振動・音響現象の高次の物理現象領域に踏み込んだ解析を可能とする。それをもって,ある楽器をその楽器たらしめている物理現象のディテールを把握することができ,かつそのデザインに真に資することができる精度を有する数値解析基盤を開発する。さらにそれを活用することで,既存の楽器のより最適な形態(形状要因と材質要因の両者を含む)の探索,および新規形態の提案(代替材料の提案も含む)を行う。
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研究成果の概要 |
楽器の精密な振動・音響物理モデル化と高精度数値解析手法を導入することで,楽器のデザインに真に資することができる精度を有する数値解析基盤を開発した。対象とした楽器は,ティンパニ,ヴァイオリン,シンバルをはじめとして12種類にわたる。物理モデル化においては,振動-音響フル連成や高次の非線形物理現象を,なるべく簡略化や近似を行うことなく含めた。その支配方程式の解を得るためには,差分法や有限・境界要素法といった一般的な数値解析手法に比べて,小さい計算負荷で格段に高精度な数値解が得られるスペクトル法を導入した。開発した数値解析基盤を用い,既存の楽器のより最適な形態の探索,および新規形態の提案を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ある楽器音を高精度に予測計算できれば,我々はその楽器を真に理解できたと言える。これは,「楽器の科学」の立場からの純粋な問い:ある楽器を,その楽器たらしめているものは何なのか,その楽器らしさの本質とは何なのか,に対する信頼性・精度を伴った物理的・定量的な解答の提示に寄与する。さらに,どのような材質と形状で作れば,どのような楽器音となるかを予測計算できるようになれば,代替材の単なる提案を超えて,既存楽器のデフォルト材料(例えば木材など)という物性範囲の制限から開放された,これまでのプロセスでは創り得なかった新しく個性的な楽器と音色の創生,さらには音楽芸術の創生へ波及する可能性もある。
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