研究課題/領域番号 |
19H04182
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
内野 英治 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (30168710)
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研究分担者 |
末竹 規哲 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (80334051)
三澤 秀明 宇部工業高等専門学校, 電気工学科, 准教授 (40636099)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 眼底画像 / 網膜血管 / 動脈硬化診断 / 脳血管障害 / ソフトコンピューティング |
研究開始時の研究の概要 |
網膜は「人体の中で唯一,外部から直接生体内をうかがうことのできる窓」である.また,眼と脳は発生学的には同一器官であり,網膜血管の状態から脳内血管の状態を推測することができる.本研究では,脳内の血管障害を早期に発見,診断を可能とするスクリーニング・システムとして,網膜血管に対する動脈硬化の診断支援システムの実用化を図る.実用化に当たり,核となる要素技術は既に我々自身で独自に開発済であり,本研究課題では,それらの統合と実用化に向けた実証研究を行う.
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研究実績の概要 |
網膜は「人体の中で唯一,外部から直接生体内をうかがうことのできる窓」である.また,眼と脳は発生学的には同一器官であり,網膜血管の状態から脳内血管の状態を推測することができる.本研究では,脳内の血管障害を早期に発見および診断を可能とするスクリーニング・システムとして,網膜血管に対する動脈硬化の診断支援システムの実用化を図る.実用化に当たり,核となる要素技術は既に我々自身で独自に開発済であり,本研究課題では,それらの統合と実用化に向けた実証研究を行う.2019年度では,以下のことを行った.
1.動脈硬化指標AVR比の高精度自動評価システムの作成: AVR比(ある領域に存在する動脈と静脈の口径比)を算出するための正確な血管口径を算出するアルゴリズムを開発し実装した. 2.動脈硬化指標V2/V1比の高精度な評価システムの作成: 申請者らが注目するV2/V1比(動脈と静脈の交叉部において,動脈硬化した動脈による静脈のつぶれ具合)を自動で精度よく評価できるシステムを開発し実装した. 3.動脈硬化指標V2/V1比の臨床評価のための準備: 動脈硬化指標V2/V1比を臨床医が手元のPCで簡単に評価できるシステムをWeb上で稼働させる準備を行った.次年度の早い段階で実稼働させる予定である.これにより,申請者らの協力臨床医グループが,手元の眼底画像を自由に評価できるようになると同時に,臨床データが逐次収集可能になり,本システムの実用化に一歩近づくことになる. 4.眼底血管の動脈硬化を動的に評価するための準備: 静止画像での評価ではなく,動画像を用いた評価システム構築のための予備実験を行った.次年度より本格的に研究を進めるための準備が整った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動脈硬化診断のためのAVR比およびV2/V1比を評価するシステムがほぼ完成し,Web上で稼働するための準備がすべて整った.次年度の早い段階に実稼働させ,グループ内の臨床医に公開し,システムの実証実験開始の準備が整った.また,このプロトタイプ・システムをさらに発展させるための準備も整い,研究は順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
1.眼底血管の動脈硬化診断支援プロトタイプ・システムをWebアプリケーションとして実装: 動脈硬化指標AVR比とV2/V1比の評価システムをWebアプリケーションとして実装の後,グループ内の臨床医に本システムを公開し,実用化のための評価を開始する. 2.動脈硬化指標V2/V1比の経年変化の評価: 申請者らは,このV2/V1比の経年変化こそが,患者の動脈硬化の進行具合を評価できる唯一の信頼できる方法であると考えている.ここでは,同一患者のV2/V1比の経年変化を追跡するため,県内の主要病院に保管されている健診データを,本診断システムを用いて解析し,本システムの有効性を検証する. 3.眼底血管の新たな動脈硬化指標の開発: 動脈硬化指標としてのAVR比およびV2/V1比に代わる新たな動脈硬化指標の開発を行う.既に予備実験は終了しており,その検証を開始する. 4.眼底血管の拍動を考慮した新たな動的動脈硬化診断支援システムの開発: 静止画像を用いた診断から,動画像を用いた診断へと診断の次元を進める.動画像解析のための予備実験は既に終了しており,次年度以降に本格的に研究を開始する. 5.スマートフォンによるハンディ化眼底画像解析システムの実現: ハンディタイプの簡易型眼底カメラにスマートフォンを装着し,撮像された画像を基に,本研究で開発した評価システムが適用可能であるかの実証実験を行う.これが成功すれば,本システムが一気に一般に普及することになる.
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