研究課題/領域番号 |
19H04208
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
倉田 博之 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (90251371)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2019年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | シミュレーション / 全身代謝 / ロバストネス / 糖尿病 / コンピュータ / ダイナミクス / メカニズム / ダイナミックモデル / 創薬 / 動力学 / コンピュータシミュレーション / ヒト代謝 / 臓器 / 予測 / インスリン / 肝臓 / 数理モデリング / システム生物学 / 薬物動態学 |
研究開始時の研究の概要 |
臨床実験や動物実験の一部を代替するために,世界で初めて,細胞内生体分子ネットワークと臓器間ネットワークを統合する分子,細胞,組織,臓器の階層的マルチスケール数理モデルを開発する.各臓器をつなげる血管内の物質動態を動力学方程式で記述し,各臓器細胞のゲノムスケール代謝システムをFlux Balance Analysis (FBA)で構築する.生理学や生化学実験データを基に代謝流束に制約条件を与えて,臓器特異的酵素活性分布(基質・生成物・蓄積物流束分布の全体)を推定する新規機械学習法を提案する.
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研究成果の概要 |
全身代謝システムを血液,膵臓,肝臓,骨格筋,脂肪組織,心臓,胃腸,脳の8つの臓器に分解し,各臓器において,物質変換だけでなく, ATP, NADH, NADPH, GTP, FDHを含む補酵素が関わるエネルギー変換も数理モデル化した。臓器モデル間を血液中のグルコース,乳酸,アラニン,脂肪酸,トリグリセリドなどを介して結合する,217の反応流束,1141の動力学パラメータからなる,202の代謝物が時間変化する常微分方程式モデルである。膵臓が放出するインスリンをレギュレータとして,食事,安静時,絶食時における各臓器の代謝流束分布や血液中代謝物濃度変化の予測に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臓器をひとつのコンパートメントと考える薬物動態モデルでは,臓器細胞内の分子メカニズムはブラックボックスである。本研究では,臓器間ネットワークと臓器を構成する細胞の生体分子ネットワークを統合するマルチスケール数理モデルを世界で初めて開発した。生体分子ネットワークの数理モデルを構築して,次世代の創薬CADを開発した。インスリン抵抗性の病態下で,糖尿病治療薬(構造的類似化合物で代謝酵素反応を阻害する薬剤)が引き起こす,多様な代謝応答をシミュレーションすることが可能となった。臨床実験の一部をコンピュータで代替するVirtual Physiological Human(VPH)の端緒を開いた。
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