研究課題/領域番号 |
19H04223
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三石 大 東北大学, データ駆動科学・AI教育研究センター, 准教授 (50305306)
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研究分担者 |
大河 雄一 東北大学, 教育学研究科, 助教 (60361177)
趙 秀敏 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (60733079)
高橋 晶子 仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (10537492)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ブレンディッドラーニング / マイクロラーニング / 自己調整学習 / 探索的学習分析 / ユビキタス学習環境 / モバイル学習 / 学習体験 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、初修外国語教育における持続的な学習を促すブレンド型学習環境の実現のために、マイクロラーニング形式の復習教材を提供し、繰り返し学習を含む自然な自己調整学習を可能とするスマートフォンアプリケーションを設計、実装するとともに、必要に応じて個別指導や授業内容の調整を行えるよう、個別の学習者や学習者全体の学習活動の文脈を含む学習状況をデータ分析の専門家ではない授業担当教員自身が探索的に分析可能な学習分析ツールを設計、実装する。その上で、実装したシステムによる複数年、複数クラスに渡る大規模な実証実験を行い、本研究で提案する学習環境の有効性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
R3年度では、R2年度に明らかにしたモバイルアプリケーションを利用した学習に求められるユーザ体験(UX)デザインの実現のために、自己調整学習の促進のための学習プロセスを定めたCOPESモデルに基づき、本研究で提案するモバイルアプリの機能とユーザインタフェース(UI)の拡張を行った。また、モバイルアプリの利用履歴の分析結果から、高い動機によると予想される学習行動と低い動機によると予想される学習行動のパターンが確認でき、その後の学習者のパフォーマンスを予測できる可能性があることを確認した。 R2年度までの研究結果から、モバイルアプリを利用した初習外国語の復習では、教授設計理論に基づく中長期的な動機づけに加え、アプリそのものの利用を促すUXデザインによる短期的な動機づけが必要であることを確認し、そのためのデザイン方針を提案してきた。しかしながら当該UXを実現するための具体的な機能やUIまでは明らかにできていなかった。また、コロナ禍対応に伴う授業実施形態の変化にも柔軟に対応可能な学習プロセスを定義できることが課題となっていた。そこで、自己調整学習における自発的な学習の促進のためのCOPESモデルで規定する学習プロセスに着目し、学習計画の立案、これに基づくフィードバック、学習の文脈に応じた通知の各機能と、そのためのUIの設計、拡張を行った。 また、これまでの学習履歴を分析した結果、授業後の早い時期に復習に取組む学生や定常的に繰り返し学習を行っている学生がいる一方、〆切直前に詰め込み学習を行う学生や〆切後に復習に取組む学生がいるなど、学生により学習行動に偏りがあり、これらの学習行動のパターンは、内発的な動機づけによる積極的な動機や外発的な動機づけによる消極的な動機といった各学生の学習動機の違いによる可能性があること、また、最終的な成績とも関連が予想されることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍2年目となったR3年度は、R2年度の緊急対応として実施したオンライン中心の授業から対面授業をできるだけ実施する方向に大学の方針が変更となったが、実際には全国的な感染拡大が年度途中に繰り返し発生し、そのたびに、対面授業とオンライン授業とを幾度となく切り替えながら授業を実施する必要に迫られることとなった。 このため、本研究でも、これまでの対面授業とモバイルアプリケーションを利用したeラーニングによる復習との組合せによるブレンド型授業のみならず、対面授業と異なり直接的な働きかけに制約のあるオンライン授業とモバイルアプリケーションによる復習との組合せによるブレンド型授業にも対応できるよう拡張することを計画し、そのための学習プロセスの検討を進めてきたが、実際の現場では、本研究で提案するブレンド型授業による学習形態は継続しつつも、まずは授業そのものの円滑な実施を最優先する必要があり、学生個人への個別対応も含め、その対応に多大な時間を要することとなり、当初予定していたモバイルアプリケーションによる自発的な学習の促進のための新しいUXデザインの実現に十分な時間を割くことが困難な状況が続くこととなった。その結果、機能拡張された新しいモバイルアプリケーションの開発が大きく遅れることとなり、これにともない、新しいモバイルアプリケーションによるブレンド型授業の実証実験、および、これによる学習履歴の取得には至ることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
前述の通り、コロナ禍対応による教育現場全体の混乱のため、実験対象としていた授業そのものの円滑な実施を優先する必要があり、本研究で提案する自発的な学習をのためのUXデザインを実現するモバイルアプリケーションの実装に大きな遅れを生じることとなったが、幸い、この間も既存アプリケーションによるブレンド型授業は継続することはできており、これによる学習履歴の取得、ならびに、その分析をすすめることはできている。また、新しいモバイルアプリケーションの開発も、大きく遅れてはいるものの、その基本設計を明らかにするとともに、これに基づく第1版の実装までは完了することができている。 そこで、R4年度は、年度の途中からとはなるものの、今回実装したモバイルアプリケーションを利用した実証実験を遂行するとともに、これによる学習履歴を取得し、本研究で提案する学習分析手法とそのためのアプリケーションの設計を進める予定としている。 一方で、R3年度末の時点ではコロナ禍の終息が見えない状況も継続しており、また、コロナ禍を期に一気に進むこととなったオンライン活用教育の普及に伴い、本研究課題で当初対象としていた初習外国語教育の授業そのものについても、今回のコロナ禍のようなパンデミック発生時にも柔軟に対応し、学習を継続可能なレジリエントな教育・学習手法の開発の必要性が大学から求められており、今後、これらも考慮しつつ、本研究で提案するブレンド型学習環境を開発する必要があると考えられる。
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