研究課題/領域番号 |
19H04246
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
重光 雅仁 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋観測研究センター), 研究員 (20511695)
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研究分担者 |
横川 太一 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究プログラム), 研究員 (00402751)
山本 彬友 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(環境変動予測研究センター), 特任研究員 (30794680)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
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キーワード | DIC固定生物 / 従属栄養微生物 / 微生物群集 / 全球ボックスモデル / DIC固定微生物 / 溶存有機物 / DIC固定速度 / 従属栄養細菌生産速度 / 細菌生産量 / 無機炭素固定 / 微生物 / 物質循環モデル / 温暖化 / 微生物による炭素固定 / 海洋炭素循環 / 微生物炭素ポンプ / 生物ポンプ |
研究開始時の研究の概要 |
海洋に蓄積している溶存有機炭素量は、大気中二酸化炭素量とほぼ同等である。そのため、地球温暖化の影響により、海洋微生物生態系が影響を受け、海洋中の溶存有機炭素(DOC)の生成・消費速度が変わると、大気中CO2量が劇的に影響を受ける可能性がある。近年、暗黒の深海で化学合成独立栄養細菌がCO2を固定(DIC固定)していることが分かってきた。DIC固定は、「海洋微生物の関与によって生成される難分解性DOCによる炭素隔離機構(微生物炭素ポンプ)」と密接に関わっていると考えられ、DOCへの温暖化影響を評価する上で重要である。本研究では、DIC固定が海洋炭素循環に与える影響を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
インド洋・南大洋、太平洋における観測によりこれまでデータのなかったDIC固定速度を明らかにした。太平洋において同時に測定した従属栄養細菌の活性速度との比較から、太平洋の中深層においてはDIC固定速度のほうが高く、DIC固定が従属栄養細菌の重要な有機物源になっていることを明らかにした。 太平洋における微生物群集解析結果から、表層由来の有機物供給が少ない中深層において、有機物分解産物であるアンモニア、それを利用するDIC固定微生物、それが合成した有機物の分解が循環する、有機物の内部循環が起きている可能性を示唆した。 全球のボックスモデル解析から、DIC固定速度の全球積算を算出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでインド洋、南大洋と太平洋ではDIC固定速度の観測結果がなかった。そこで、本研究は世界で初めてDIC固定速度の観測結果を得た。従属栄養細菌活性速度の観測が同時に実施できた太平洋において、ほとんどの地点においてDIC固定速度が従属栄養細菌活性速度を上回った。これは、海洋中深層における従属栄養細菌の炭素源を供給することを意味し、今後気候モデルでも考慮していく必要があることを示した。
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