研究課題/領域番号 |
19H04256
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
長谷川 精 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 講師 (80551605)
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研究分担者 |
石村 豊穂 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (80422012)
山本 正伸 北海道大学, 地球環境科学研究院, 教授 (60332475)
太田 亨 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (40409610)
勝田 長貴 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (70377985)
村山 雅史 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 教授 (50261350)
山田 圭太郎 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構(BKC), 助教 (30815494)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 白亜紀 / 温室期 / 年縞 / アジア内陸 / 蒸発/降水量変動 / 太陽活動 / 千年スケール / 気候安定性 / 急激な気候変化 / 湖成層 / 地球温暖化 / 陸域気候 / 気候変動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,白亜紀「温室期」の気候変動を数年~数十年の時間スケールで詳細に復元し,極端な温暖化が進行した後の気候安定性を考察する。代表者らの研究により,現在よりもCO2濃度が高く,極域氷床の存在しない白亜紀「温室期」にも,「氷期」に類似した急激な気候変化が起こっていたことが明らかになった。そこで本研究では,モンゴルの年縞湖成層を対象に独自の超高時間分解能な解析を行い,白亜紀「温室期」にアジア中緯度域の気温と降水量がどのような振幅・移行期間・周期性で変動したのかを調べ,その変動要因を検証する。そして,氷床の存在しない「温室期」モードにおける急激な気候変化の実態や,発生メカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
モンゴルの白亜系年縞湖成層を対象に超高時間分解能な解析(季節レベル~数十年解像度)を行い,約1億年前の気候変動を詳細に解読した。年縞ラミナを対象に蛍光顕微鏡解析と微小領域同位体比分析を行った結果,太陽活動(11年周期や125年周期)を反映した夏季藻類生産量と降水量の変動が明らかになった。またXRFコアスキャナーを用いて約35万年区間を解析した結果,蒸発/降水量変動の指標であるCa/Tiが,千年スケールおよび地球軌道要素変動で大きく振幅変調したことが明らかになった。この千年スケール変動は高緯度深層水の沈み込み強弱を伴っていた可能性が示唆され,「温室期」の気候安定性を理解する上でも重要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の人為起源CO2の排出により,200年後には大気CO2濃度が1000 ppmに達する可能性があり,地球の気候は人類が未体験のモード「温室期(Hothouse)」に入りつつあることが危惧されている。大気CO2濃度が1000ppmを超えていたのは約1億年前の白亜紀のレベルに相当する。本研究では,白亜紀「温室期」の気候変動を,数年~数十年解像度の人間生活に関わる時間スケールで詳細に復元し,極端な温暖化が進行した後の気候安定性の解明を試みた。その結果,当時のアジア内陸域は約千年毎に干ばつイベントが発生するような,千年スケールで急激な気候変化が発生する「不安定」な気候モードだった可能性が示唆された。
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