研究課題
本研究では,白亜紀「温室期」の気候変動を数年~数十年の時間スケールで詳細に復元し,極端な温暖化が進行した後の気候安定性を考察する。代表者らの研究により,現在よりもCO2濃度が高く,極域氷床の存在しない白亜紀「温室期」にも,「氷期」に類似した急激な気候変化が起こっていたことが明らかになった。そこで本研究では,モンゴルの年縞湖成層を対象に独自の超高時間分解能な解析を行い,白亜紀「温室期」にアジア中緯度域の気温と降水量がどのような振幅・移行期間・周期性で変動したのかを調べ,その変動要因を検証する。そして,氷床の存在しない「温室期」モードにおける急激な気候変化の実態や,発生メカニズムの解明を目指す。