研究課題/領域番号 |
19H04262
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
中嶋 亮太 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋生物環境影響研究センター), グループリーダー (20546246)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 海洋プラスチック / プラスチック / 深海 |
研究開始時の研究の概要 |
毎年800万トンを超える廃プラスチックが海洋に蓄積を続けている。現在、推定4500万トンの廃プラスチックが外洋の表層を漂っているはずだが、実際に観測された量はわずか44万トンにすぎない(全体の1%)。残りの99%が表層から失われ行方不明となっている。おそらく大部分は深海に沈んでいる。本課題は、行方不明プラスチックの行方を求めて、アジア諸国から大量のプラスチックが流れ込み集積する日本周辺の深海底において、プラスチックごみがどこにどのくらい蓄積しているか、その分布と量を明らかにし、行方不明プラスチックの謎に答える一助とする。
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研究実績の概要 |
毎年1000万トンを超える廃プラスチックごみが海洋に蓄積を続けていると考えられている(2021年時点)。しかし、海面に浮かぶプラスチックごみは氷山の一角に過ぎず、大部分が行方不明となっている。一方、海洋へ流出したプラスチックごみの大部分は深海に沈んだと予想されている。本課題は、行方不明プラスチックの行方を求めて、アジア諸国から大量のプラスチックが流れ出し集積する日本周辺の深海底において、プラスチックごみの分布と量を明らかにし、行方不明プラスチックの謎に答える一助とする。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)が過去30年間に記録してきた深海映像データ(深海デブリデータベース)には、しばしばポリ袋などの海洋ごみが映っており、約5,000潜航調査の映像からすでに1,000を超す海洋ごみが確認されている。当該年度は、昨年度にターゲットにしていなかった深海潜航調査で記録されたマクロプラスチックの定量を試みた。具体的には、具体的には、有人潜水調査船「しんかい2000」約150潜航分、有人潜水調査船「しんかい6500」約100潜航分、無人探査機「ハイパードルフィン」約130潜航分、無人探査機「かいこう」約60潜航分、合計約440潜航分の定量データ(海底面積あたりのプラごみの数と種類)の取得を完了した。
また、当該年度中に、ごみ大量排出域に近い沖縄周辺海域の深海底(水深約2000m)においてビームトロールによるマイクロプラスチックごみの採取を実施した。上記の取得データを今後解析することで、日本周辺の深海底に分布するプラスチックごみの分布状況の解明が大きく進むと期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度は、プラスチックごみが蓄積されていると予想される深海底(四国沖、水深約5000m)において潜航調査を実施し、映像データの取得とプラスチックごみ試料の採取を行い、当該海域におけるプラスチックごみの定量を行う予定であった。当該年度の8月下旬に研究船共同利用(調査船かいれい)による深海プラスチックごみ調査が実施される予定であった。しかし、出港直前に、別船舶でコロナ陽性者が発生し、本航海も延期命令が下され延期となった。その後10月に振替航海の準備が進められていたが、出港前に、使用予定であった無人探査機「かいこう」が故障したため、本航海は完全に中止となった。そのため当該年度に計画していた四国沖海底の調査はできていない。その代わり、沖縄周辺の深海底において調査を2月に実施し、深海底(水深約2000m)に堆積するマイクロプラスチックごみの採取を行った。また深海デブリデータベースにまだ登録がない潜航調査を含めた映像データのうち、まだ解析の終了していない潜航調査映像においてごみの記録作業を行い、440潜航分の定量データ(海底面積あたりのプラスチックごみの数量と種類)の取得を完了した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、プラスチックごみが蓄積されていると予想される深海底(東京湾海底谷付近等)において潜航調査を実施し、映像データの取得とプラスチックごみ試料の採取を行い、当該海域におけるプラスチックごみの定量を行う。また2021年度に実施ができなかった四国沖(水深約5000m)においてもマイクロプラスチックごみの試料取得を試みる。
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