研究課題/領域番号 |
19H04268
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤原 智子 (石川智子) 大阪大学, 放射線科学基盤機構附属ラジオアイソトープ総合センター, 特任研究員(常勤) (70402922)
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研究分担者 |
辻村 亨 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20227408)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2019年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 損傷乗り越えDNA合成 / 遺伝的不安定性 / 発がん / ミスマッチ修復 / Structure Variant (SV) / 二重鎖切断(DSB) / 点突然変異 / CNA / SNP / 次世代シーケンス / がん発症メカニズム / ゲノム不安定性 / メダカ / Rev3L / 自然発がん / モザイク解析 / 自然高発がん |
研究開始時の研究の概要 |
発がんは環境変異原による生物影響のエンドポイントであり、遺伝子変異はその最重要要因である。がん細胞については莫大な量のゲノム変異情報が得られているものの、遺伝子変異と発がん過程進行との相関は不明な点が多い。我々は、年齢依存的に大腸がんを必発するメダカ変異体を樹立した。本高発がん系を用い、化学発癌剤や放射線等の環境要因によるDNA損傷が大腸がん発症に与える影響、損傷応答や突然変異導入に関与する遺伝子の欠損の影響を、ゲノム変異同定することによりその一端を明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
遺伝子変異と発がん過程進行との相関を詳細に解析できる発がんモデル系の開発を目標とした。開発の基礎となる幹細胞由来大腸がんを自然発症するrev3変異体のがん細胞において、がん関連遺伝子の発現が変動していることをRNA-Seqにより確認できた。発がんに影響を与える遺伝的要因として、他のTLSポリメラーゼ(polh,polk,poli)、ヌクレオチドレベルの変異に関与するmsh2、染色体レベルの変異(SV)に関与するatmについて二重変異体を作製し、いずれも相加的な寿命短縮が確認できた。発がんにおいて点突然変異とSVは相加的な影響があること、DSB修復はSV誘発の抑制作用を持つことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんは我が国でも死因の上位に占める疾患で、突然変異誘発が「発がん」の有力要因である事は明らかである。本研究では大腸がんを自然発症するメダカにおいて、がん細胞では哺乳類同様がん関連遺伝子の発現の上昇、低下が観察され、他の、突然変異を誘発する遺伝子との二重変異体では表現型が亢進することが示された。このように遺伝子変異と発がん過程進行がリアルタイムにモニタリングできる実験モデル動物系の開発により発がんのイニシエーションからプロモーションの変遷における遺伝子変異の役割解明か可能となると考えられる。今後、本系の完成により当該分野のみならず、広く生物・医学分野で極めて大きな役割を果たすと考えられる。
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