研究課題/領域番号 |
19H04270
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
松浦 伸也 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (90274133)
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研究分担者 |
宮本 達雄 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40452627)
阿久津 シルビア夏子 (AkutsuSilviaNatsuko) 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (10822299)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2019年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 放射線感受性 / 個人差 / ゲノム編集 / 医療放射線防護 |
研究開始時の研究の概要 |
X線検査やCT検査が発がんリスクを増加させることが知られており、放射線感受性の高い小児や、遺伝的感受性の高い人が医療放射線被ばくを受ける際は特別な配慮が必要である。本研究では、放射線高感受性として知られる卵巣がん患者の全エクソーム解析により同定した、放射線感受性の候補遺伝子について、モデル細胞を作製して、放射線感受性に対する効果サイズを定量化する。本研究により、医療放射線防護のプレシジョン・メディシン実現に向けた遺伝学的な分子基盤の整備が大きく進むと期待される。
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研究成果の概要 |
放射線感受性には個人差が知られており、感受性が高いヒトが医療放射線被ばくを繰り返し受けると、発がんリスクが増加することが懸念される。しかし、その遺伝素因については未だ十分に解明されていない。今回、卵巣がん患者29名の全エクソーム解析を実施して、NBS1 I171Vバリアントを患者1名に検出した。ゲノム編集法を用いてバリアントのノックインHCT116細胞とマウスを作製して、放射線照射後の微小核形成率を指標に放射線感受性を測定した結果、モデル細胞はいずれも野生型細胞に比べて有意に増加したことから、このバリアントが放射線感受性の個人差を規定する遺伝要因であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で、放射線感受性を規定する代表的なNBS1遺伝子のVUS(Variant of Uncertain Significance)について、ヒトモデル細胞とノックインモデルマウスを作成して、放射線感受性を指標にVUSを再分類することに成功した。クリニカルシーケンスで検出される放射線感受性遺伝子のバリアントには病的意義が不明のものが多く、その場合、医学的管理方針の確立は困難である。本研究はそのようなUVSの評価に有用であり、医療放射線防護のプレシジョン・メディシン実現に向けて研究基盤の整備が大きく進むことが期待される。
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