研究課題/領域番号 |
19H04271
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
矢野 憲一 熊本大学, 産業ナノマテリアル研究所, 教授 (70311230)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
|
キーワード | DNA損傷 / DNA修復 / DNA二重鎖切断 / DNAのねじれ / DNAトポイソメラーゼ / ライブイメージング / DNAトポイソメラーゼ2 / 核小体 / DNA鎖のねじれ |
研究開始時の研究の概要 |
DNAトポイソメラーゼII (Top2) はDNA鎖のねじれを解消する酵素であり、転写や複製など、DNA鎖に過剰なねじれが生じる核内過程において重要な役割を担う。DNA鎖のねじれは、放射線傷害の主要因であるDNA二重鎖切断 (DSB) が修復される過程においても起こりうるが、DSB修復におけるTop2の役割は不明瞭である。そこで本研究ではヒト細胞が持つ二つのTop2のDSB応答とDSB修復における役割を解析することで、DSB修復におけるDNAねじれ解消の重要性を検討する。
|
研究成果の概要 |
DNAトポイソメラーゼII (Top2) はDNA鎖のねじれを解消する酵素であり、細胞の核の中で様々な役割を担っている。放射線傷害の主要因であるDNA二重鎖切断 (DSB) の修復過程においてもDNA鎖のねじれは起こりうるが、それへのTop2の関与や役割は不明な点が多い。そこで本研究ではヒトTop2のDSB応答について解析した。その結果、Top2は素早くDSB部位へと集積すること、これはHDACやPARPの阻害剤で抑制されること、Top2阻害剤や細胞のATPレベルがTop2の核内動態に強く影響すること、遺伝病の原因となる変異でTop2のDSB応答と核内動態が変化すること、などを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
最も重篤なDNA損傷であるDSBに対して細胞にどのような応答するかについてを詳細に解明することは、人体への放射線影響を理解するために重要である。本研究では生きたヒト細胞中にDSBが生成した際にTop2の挙動がどのように変わるかについて詳細な解析を行い、ヒト細胞のDSB応答に新たな知見を加えた。またヒトの遺伝病の原因となるTop2の一アミノ酸置換の中に、Top2のDSB応答と核内動態に変化をもたらす初めての例を見いだした。
|