研究課題/領域番号 |
19H04273
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
倉岡 功 福岡大学, 理学部, 教授 (60335396)
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研究分担者 |
竹立 新人 福岡大学, 理学部, 助教 (20846505)
塩井 成留実 (青木成留実) 福岡大学, 理学部, 助教 (50510187)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 放射線発がん / クラスターDNA損傷 / DNA修復 / 変異 / 放射線 / 塩基除去修復 / ヌクレオチド除去修復 / DNA切断機構 / DNA修復機構 / DNA損傷 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線により生じるDNA損傷の「かたまり」(クラスターDNA損傷)は、一般環境に生じるDNA損傷と比べて、その損傷の密集性から非常に修復され難いと予測されている。しかし、ヒトを含む生物は、放射線により生じるクラスターDNA損傷を修復していることがわかっている。 本研究の概要は、人工的にクラスターDNA損傷を模倣し、細胞内でのクラスターDNA損傷の構造変化およびその修復機構を解析する研究である。
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研究成果の概要 |
放射線は、ゲノムDNAの非常に狭い空間的に複数個密集するクラスターDNA損傷を生じる。このDNA損傷と比べて、その損傷の密集性から非常に修復され難く、最終的に修復困難なDNA二本鎖切断を導き、遺伝子の欠失や挿入、転座、そして発がんに関与すると考えられている。 本研究では、人工的にクラスターDNA損傷を化学的に作製し、細胞内でのクラスターDNA損傷の構造変化を生化学的および細胞学的に解析を行なった。その結果、少なくとも我々の実験系においては、予測と反して一般的なDNA修復酵素および細胞抽出液において、クラスターDNA損傷は修復困難なDNA二本鎖切断を生み出さないことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射線による発がんの危険性は一般に広く知られていますが、その分子機構についてはまだ多くの謎があります。今回の放射線により生じるクラスターDNA損傷の解析では、その修復機構についての理解が進むことで、放射線による発がんの分子機構に貢献することが期待されました。 興味深いことに、今回の我々の解析結果によると、従来想定されていたように、クラスターDNA損傷は容易に変異を引き起こす可能性は否定されました。むしろ、細胞内の酵素反応が複雑な修復機構の中でより確実に正しく修復する可能性が示唆されています。これらの結果は、将来的に放射線による発がんについての理解を確かなものにすることができると考えられます。
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