研究課題/領域番号 |
19H04274
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 一般財団法人電力中央研究所 |
研究代表者 |
大塚 健介 一般財団法人電力中央研究所, サステナブルシステム研究本部, 上席研究員 (50371703)
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研究分担者 |
冨田 雅典 一般財団法人電力中央研究所, 原子力技術研究所, 上席研究員 (00360595)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
13,910千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 3,210千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 休止期幹細胞 / 腸管 / 高線量放射線 / ゲノムストレス / 次世代シーケンサー / オルガノイド / 組織透明化 / ライトシート顕微鏡 / 消化管幹細胞 / DNA損傷応答 / ライブセルイメージング / 次世代シーケンシング / 放射線影響 / DNA損傷応答イメージングマウス / 低分子化合物ライブラリ / mTert / 腸管幹細胞 / 放射線抵抗性 / 休止性 / ストレス応答 / 遺伝子発現 / 放射線感受性 |
研究開始時の研究の概要 |
組織幹細胞は、変異が生じることでがんの起源になりうる重要な細胞である。幹細胞には、休止性と増殖性の2種類があり、腸管では増殖性幹細胞が放射線被ばくや炎症などのストレスにより失われた場合に、休止期幹細胞が増殖性幹細胞を補うことで組織の恒常性が保たれている。本研究では、高度に休止性を維持している腸管mTert幹細胞に着目し、組織幹細胞の休止性がどのような遺伝子やシグナル伝達経路で制御されているかを明らかにする。また、ストレス応答後に増殖性幹細胞を補うという性質から、休止期幹細胞は発がんリスクの真の標的であると考えられるため、どのようなストレス(放射線の強さ)によって活性化されるのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
幹細胞の休止期状態がどのように規定され、ストレス応答により活性化するかの仕組みを調べることで、休止期幹細胞の動態解明につなげることを目的とした。本研究では、主にTert遺伝子を発現する腸管の休止期幹細胞に着目し、高線量放射線や低分子化合物などのゲノムストレスによる活性化を、その分子動態や細胞動態から評価するための手法を検討した。休止期幹細胞のようなごく少数の細胞動態を分子、細胞レベルだけでなく、組織・個体レベルで評価するため、次世代シーケンサー、オルガノイド培養、組織透明化とライトシート顕微鏡など最新の研究手法を基盤として、将来、組織・個体レベルでの効果的な評価・解析手法の構築を進めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、放射線による発がんの標的と考えられる腸管幹細胞が、高線量放射線のような著しい損傷を受けた場合に、組織内でどのような運命で発がんなどの疾患に向かうのかを理解することで、発がんリスクの線量依存性を定量的に理解することを目指したものである。特に休止期幹細胞が増殖性幹細胞を補充する仕組みは未解明の点が多く、その解析手法も十分に確立されていなかった。本研究はゲノムストレスという観点から、休止期幹細胞の応答を修飾する要因を解明するための手法を検討したものであり、放射線被ばくのみならず、さまざまな発がんリスクを定量的に比較評価する研究に貢献するものである。
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