研究課題/領域番号 |
19H04278
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63030:化学物質影響関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
紙谷 浩之 広島大学, 医系科学研究科(薬), 教授 (10204629)
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研究分担者 |
鈴木 哲矢 広島大学, 医系科学研究科(薬), 助教 (20573950)
小松 康雄 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 副研究部門長 (30271670)
河合 秀彦 広島大学, 医系科学研究科(薬), 准教授 (30379846)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2019年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | DNA損傷 / 8-hydroxyguanine / 遠隔作用変異 / APOBEC3 |
研究開始時の研究の概要 |
8-Hydroxyguanine(8-OH-Gua)に代表される比較的小さな構造変化を伴うDNA損傷が生じると、損傷が生じた部位に遺伝情報の誤り(変異)が生じる。一方、早老症Werner症候群の責任遺伝子産物を減少させた細胞に8-OH-Guaを含むDNAを導入すると、8-OH-Gua部位から離れた部位においても変異が生じる(遠隔作用変異)。そこで、本研究では、この新規な変異である遠隔作用変異の生成機構を明らかとする。
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研究成果の概要 |
DNA損傷8-hydroxyguanineが誘発する遠隔作用変異(DNA損傷から離れた位置に生じる変異)の性質を調べた。その結果、遠隔作用変異は8-hydroxyguanineの上流(5'-側)に生じやすいことと5'-NGA-3' 配列(N = A/G/C/T)のGに生じやすいことを見出した。また、遠隔作用変異に対してWRN蛋白質が抑制的に、OGG1とAPOBEC3Bが促進的に作用することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果、WRN蛋白質(欠損すると癌易罹患性のある早老症であるWerner症候群が発症する)が減少すると、活性酸素により生ずるDNA損傷である8-hydroxyguanineにより遠隔作用変異が誘発されることが改めて示された。また、遠隔作用変異の誘発に8-hydroxyguanineの主要な修復酵素であるOGG1が関与していること(この現象を「OGG1パラドックス」と命名)、及び、癌の変異の主要な原因とされるAPOBEC3と、同じく癌の変異の主要な原因とされる8-hydroxyguanine(酸化的DNA損傷)がリンクしている可能性を示唆する結果を得た。
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