研究課題/領域番号 |
19H04296
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
鈴井 伸郎 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部, 上席研究員 (20391287)
|
研究分担者 |
井倉 将人 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 主任研究員 (80706630)
渡部 浩司 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (40280820)
坂下 哲哉 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部, 上席研究員 (30311377)
尹 永根 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部, 主幹研究員 (50609708)
吉原 利一 一般財団法人電力中央研究所, 環境科学研究所, 上席研究員 (60371506)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
|
キーワード | 放射性セシウム / PET / ポジトロンイメージング / 非破壊計測 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの放射性セシウムの動態研究に欠けていた「個体レベル」の動態解析を、新規に開発したポジトロン放出核種Cs-127(半減期:6.25時間)を用いた非破壊イメージングにより実現する。具体的には、生きた作物(ダイズ)と樹木(リンゴやスギ等)におけるセシウム動態を非破壊的に可視化し、子実へのセシウム輸送メカニズムの解明と樹体内のセシウム動態モデルの構築を行う。さらに、Cs-127を生きた動物(ラット)に経口投与し、ポジトロン断層法(PET)を用いてセシウムの3次元動態を非破壊的にリアルタイムで可視化し、各臓器への移行速度を算出することで、放射性セシウムによる内部被ばく線量の正確な評価に資する。
|
研究成果の概要 |
ポジトロン放出核種Cs-127を用いて、生きた動植物体内の生きた動植物におけるセシウム動態の非破壊的イメージングを実施した。ダイズの根にCs-127を投与し、根粒中のセシウムの挙動を可視化した結果、根粒にセシウムが貯留することを明らかにした。ヒメリンゴの放射性セシウムの経皮吸収を可視化した結果、新芽側への移行量が主茎側よりも高いことを明らかにした。PET装置で撮像したラットのセシウム動態を用いて複数の臓器のクリアランスを評価したところ、腎臓、心臓、小腸については従来のICRP体内動態モデルの予測と一致したが、肝臓と大腸については異なっていた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、ポジトロン放出核種Cs-127を用いた非破壊的イメージングが、生きた動植物体内におけるセシウム動態の解析に有用であることが示された。本研究で明らかにされた、ダイズやヒメリンゴなどの作物におけるセシウムの貯留や、新芽側への移行量の高さなどの知見は、作物栽培におけるセシウム汚染対策に役立つことが期待される。さらに、PETイメージングを用いた臓器クリアランスの評価により、従来のICRP体内動態モデルにおける肝臓や大腸の予測が異なることが判明したことから、放射性物質の内部被ばく評価のより正確な予測において、Cs-127を用いたイメージング技術が貢献できることが示された。
|