研究課題/領域番号 |
19H04298
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
東條 安匡 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (70250470)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | 焼却飛灰 / 重金属 / 難溶性態化 / アルミノ珪酸塩 |
研究開始時の研究の概要 |
焼却主灰のセメント資源化が進む一方で焼却飛灰の単独埋立が増加している。焼却飛灰は有害重金属を多く含有するため、長期間確実にその放出を抑制できる技術が求められている。申請者は先行研究から、アルカリ長石表面が700℃程度で溶解し、生成したガラス状非晶質相に低沸点の元素が捕捉され難溶性態化することを確認した。本研究では、同現象を用いて焼却飛灰中の重金属を捕捉し、難溶性態化することを目指す。具体的には、①アルカリ長石による重金属類の捕捉・難溶性態化の確認、②捕捉重金属の化学形態の特定と捕捉機構の解明を行い、最終的には、③本手法により飛灰中の重金属溶出抑制(最終安定化物化)を実現する。
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研究成果の概要 |
焼却飛灰に含まれる有害重金属を難溶性態化することを目指して、アルミノ珪酸塩(非晶質化インド長石、ゾル試薬)と混合し、共加熱する検討を行った。一般廃棄物焼却飛灰とゾル試薬を混合して共加熱した結果、鉛の溶出濃度は大幅に低下した。ただし、溶出試験後のpHは高く、水酸化物沈殿形成の可能性が示唆された。共加熱試料、非加熱試料のpH依存試験から、pHが6を下回ると再溶出が起こることが確認され、また加熱後水洗試料のXRDからはHydrocerrusiteのピークが検出されたことから、鉛の溶出濃度の低下はこうした沈殿が形成されたためであることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
焼却飛灰は有害重金属を多く含み、溶出濃度も埋立判定基準を超えることから埋立処分前に溶出抑制処理がなされる。しかし、今日広く使用される薬剤処理は長期的な効果に疑問がある。そのため、別の溶出抑制手段としてアルミノ珪酸塩との共加熱を検討した。鉛の溶出濃度は大幅に低下することを確認したが、アルミノ珪酸塩による捕捉ではなく水酸化物沈殿の生成による溶出低下であった。そのため、埋立層内環境がpH=6以上で維持されれば溶出を回避できる。
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