研究課題/領域番号 |
19H04300
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
義家 亮 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (60293544)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2019年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
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キーワード | 水銀 / 煙道ガス / 脱硝触媒 / 排ガス処理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,排ガス中水銀の分離回収のために,廃脱硝触媒を粉砕して得られる粒子を水銀捕捉剤として利用する省資源,安全,省エネルギー,低環境負荷の水銀分離回収プロセスを提案し,その具体的指針を得ることを目標とする.脱硝触媒はアンモニアの酸化反応によるNOx還元がその機能であり,強い酸化力を持っている.よって,高価な添加剤等を加えることなく,低コストで高機能の水銀酸化捕捉剤が得られる.また,固体粒子材料であるため,非腐食性であり,排ガス処理装置に対する負荷が小さい.さらに,捕捉剤粒子の回収は既存の集塵器で行われるため,外部からエネルギー投入する必要がない.
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研究成果の概要 |
低コストの廃棄物系無機材料として使用済み脱硝触媒の粉砕物を捕捉剤に用いて,煙道ガス中に含まれる気相水銀の分離回収プロセスを実現することを目指し,脱硝触媒粉末による水銀捕捉・酸化反応の基礎挙動評価および機構解明を行った.その結果,脱硝触媒粉末には窒素雰囲気中でも水銀が捕捉されるのに対して,空気雰囲気中では水銀捕捉性能が大幅に向上した.つまり,水銀捕捉において酸化反応による水銀の固定化が寄与していることがわかった.一方,塩化水素を含む雰囲気では水銀は気相のまま酸化されて放出された.また,塩化水素を含む気体に水銀捕捉後の脱硝触媒を暴露させると,捕捉水銀を速やかに脱離することができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2017年8月水俣条約発効により各種燃焼・焼却プラントの水銀放出規制が本格化する中で,これまでに水銀捕捉用に開発されている高性能の各種活性炭では,表面酸化反応を促進する様々な添加剤添着のため高コストとなっている.これに対して,本研究で水銀捕捉剤に提案する脱硝触媒は,脱硝反応のための触媒酸化作用と水銀吸着作用を併せ持つ.つまり,使用済み脱硝触媒を粉砕して得られる微粉末を再利用することで,添加剤不要・低コスト・高機能水銀酸化捕捉剤が実現する.
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