研究課題/領域番号 |
19H04312
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64030:環境材料およびリサイクル技術関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木田 敏之 大阪大学, 工学研究科, 教授 (20234297)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 環状オリゴ糖 / シクロデキストリン / チューブ型ホスト分子 / 分子認識 / 長鎖不飽和脂肪酸 / トランス脂肪酸 / チューブ型シクロデキストリン二量体 / 吸着材 / 不飽和脂肪酸エステル / 包接 / ゲスト選択性 / 有害脂肪酸 / 吸着 / リンカー / 食用油 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、植物を原料とする環状オリゴ糖‘シクロデキストリン’を規則的に連結させたチューブ型ホスト分子を設計・合成し、その高次分子認識空間を利用することで、これまで困難とされてきた、食用油中のトランス脂肪酸エステルやグリシドール脂肪酸エステルといった有害脂肪酸成分の高効率除去・回収を実現することを目的としている。本吸着材料を用いることで、食用油中の有害脂肪酸成分の高効率除去が可能となり、安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献できるとともに、これまで廃棄されていた使用後の食用油の再利用が可能となることから、グリーン・イノベーションの推進にも大きく貢献できると考えられる。
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研究成果の概要 |
α-シクロデキストリン(α-CD)二分子を複数の芳香族リンカーで連結させたチューブ型α-CD二量体を合成することに成功した。これらの二量体の不飽和脂肪酸エステルに対する包接能を検討したところ、複数のm-キシリレン骨格リンカーをもつα-CD二量体がシス体のオレイン酸メチルよりもトランス体のエライジン酸メチルに対して高い包接能を示すことがわかった。特に、6つの2-ブロモ-m-キシリレンリンカーで連結されたα-CD二量体が9倍を超えるトランス/シス選択性を示し、リンカーの構造を適切に設計することで、より高度なトランス選択性をもつチューブ型α-CD二量体が開発できることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オイル中に混入した有害物質の除去は、安全・安心な社会を形成する為に早急に解決されねばならない課題である。食品として広く利用されている植物油を加工、精製、調理する時に生成するトランス型の脂肪酸(トランス脂肪酸)がヒトの健康に深刻な影響を及ぼすことが世界規模で問題となっている。本研究では、環状オリゴ糖二分子を複数のリンカーで連結したチューブ型環状オリゴ糖二量体がトランス脂肪酸に対して選択的な包接能を示すことを見出した。この二量体を用いることで、オイル中に混入したトランス脂肪酸の除去が期待できる。
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