研究課題/領域番号 |
19H04315
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
上條 隆志 筑波大学, 生命環境系, 教授 (10301079)
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研究分担者 |
樋口 広芳 慶應義塾大学, 自然科学研究教育センター(日吉), 訪問教授 (10111486)
高橋 俊守 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 教授 (20396815)
長谷川 雅美 東邦大学, 理学部, 教授 (40250162)
西澤 智康 茨城大学, 農学部, 准教授 (40722111)
加藤 和弘 放送大学, 教養学部, 教授 (60242161)
田村 憲司 筑波大学, 生命環境系, 教授 (70211373)
太田 寛行 茨城大学, 農学部, 学長 (80168947)
廣田 充 筑波大学, 生命環境系, 教授 (90391151)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 生態系の回復 / 火山噴火 / 遷移 / 鳥類群集 / 土壌生成 / 生態系機能 / 土壌動物 / 自然災害 / 植生 / 土壌 / 土壌微生物 / 火山島 / 長期モニタリング / モニタリング / 生態系 / 生物多様性 / 相互作用 / 三宅島 / 火山 / 生態系モニタリング / 固定調査区 / 衛星画像 / 土壌呼吸 / 噴火 / 火山生態系 / 回復力 / 島の生態系 |
研究開始時の研究の概要 |
火山噴火は生態系を最も強度に破壊する自然攪乱の一つであり、土壌などの生態系基盤の 破壊をもたらす。本研究が対象とする三宅島は2000年に噴火し、大量の火山灰と火山ガスを 放出した。その結果、島のほぼ全体が噴火の影響を受け、森林の60%が破壊された。本研究は、三宅島の陸上生態系を対象として、20年に及ぶ長期回復過程を明らかにするものである。 具体的には、植物や鳥類などの生物多様性の回復過程、土壌や分解系などの生態系機能の回 復過程を明らかにする。
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研究成果の概要 |
三宅島の2000年巨大噴火後の生態系回復過程を総合的にモニタリングした。火山灰堆積により裸地化した地域に着目すると、(1)噴火から約5年:化学合成細菌群集の成立、(2)噴火から約10年:先駆植物(ハチジョウススキ)の侵入、(3)噴火から約20年:ハチジョウススキの優占、土壌呼吸などの生態系機能の急速な回復と土嚢A層の成立、土壌動物群集、鳥類群集の回復開始、という過程が示された。さらに、噴火被害の低いサイトを含めたモニタリングから、環境的に過酷な裸地段階までは、一律的に生態系の多様性と機能が回復する一方で、ある程度回復すると噴火とは直接関係しない要因によって生態系が変動することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、巨大噴火後の生態系の回復過程を単に植生だけでなく、動物群集(土壌動物、鳥類)、土壌微生物、土壌と土壌系の生態系機能(土壌呼吸)の面から総合的にモニタリングし、そのプロセスを明示したことにある。特に、厚い火山灰の堆積により、ほぼ一次遷移に近い状態になった場所の回復過程をモニタリングすることで、土壌A層の成立過程、土壌動物の初期侵入、鳥類群集の成立過程などを時系列的に示したことが学術的に特に着目できる。 本研究の社会的意義は、本研究が対象とした火山噴火をはじめとする巨大災害に関して、災害後の自然再生技術の開発に大いに貢献できる点にある。
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