研究課題/領域番号 |
19H04351
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村上 忠良 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 教授 (50334016)
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研究分担者 |
小島 敬裕 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (10586382)
池田 一人 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 准教授 (40708202)
和田 理寛 神田外語大学, 外国語学部, 講師 (70814325)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 写本文化 / 仏教 / 声と文字 / テキスト共同体 / 宗教実践 / 東南アジア大陸部 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、東南アジア大陸部の仏教徒諸民族の仏教実践を、彼らが継承してきた仏教写本をめぐる諸実践の分析を通して明らかにするものである。これまでの聖典・経典論の中で議論されてきた、①「宗教実践の中の経典」、②「声と文字の輻輳」、③「写本が創る共同体」の問題系の上に、写本朗誦によって形成される「テキスト共同体」の概念を使い、仏教写本をめぐる「声」と「文字」の関係性の分析を行う。特にローカルな言語で書かれた仏教写本の朗誦実践に着目することで、パーリ経典を共有する上座仏教という「聖なる共同体」が、仏教写本の朗誦によって作り出されるローカルな「共同体」によって、複数化されていく過程を明らかにする
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研究成果の概要 |
本研究は、東南アジア大陸部の上座仏教徒諸民族の仏教写本をめぐる諸実践を調査し、その特徴を明らかにすることを目的とした。スリランカから東南アジア大陸部に広がるパーリ経典を共有する上座仏教が、ローカルな言語で書かれた仏教写本の朗誦実践によって、複数化されていく様相に焦点を当てた。本研究では、ミャンマー東南部・タイ国西部のモン、ミャンマーとインド国境のシンポー(カチン)、タイ北部のシャンなどの仏教徒少数民族の仏教実践の実態を明らかにすること、またミャンマー西南部のラカイン王国の王統記の貝葉文書についての基本的な情報を収集し、整理することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
東南アジア大陸部のタイ国やミャンマーには、多数派を占めるタイ人(タイ族)やビルマ人(ビルマ族)以外に数多くの少数民族が居住している。その中でも、本研究が対象としているシャン、モン、ラカイン、シンポー(カチン)などの民族は、東南アジアと東アジア・南アジアを連結する重要な地域に居住する民族であり、歴史的にも文化的にも重要な役割を果たしてきた。しかし現在は両国の少数民族であり、これらの民族についての研究が十分になされてこなかった。本研究は、研究蓄積が少なかった東南アジア大陸部の仏教徒少数民族の仏教実践の実態を明らかにしたものであり、東南アジア大陸部の社会や文化の理解に貢献することができた。
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