研究課題/領域番号 |
19H04371
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
畑 恵子 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 名誉教授 (60164836)
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研究分担者 |
渡部 奈々 早稲田大学, 地域・地域間研究機構, その他(招聘研究員) (00731449)
近田 亮平 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センターラテンアメリカ研究グループ, 研究グループ長 (20466072)
松久 玲子 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (40239075)
尾尻 希和 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (40408456)
磯田 沙織 神田外語大学, 外国語学部, 講師 (70812064)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | LGBT / ジェンダー・セクシュアリティ / 権利保障 / 国際人権法 / 市民社会 / 民主化 / 宗教 / 人権 / 集団行動 / 社会運動 / 民主主義 / LGBT / 性的マイノリティ / 法的権利 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では文化的同質性が高いにもかかわらず、LGBTの法的権利保障において異なったレベルにあるラテンアメリカ主要6カ国を対象とし、地域横断的な比較分析を行う。政党、カトリック教会・宗教組織、市民組織・当事者団体、ジェンダー・セクシュアリティ研究者等をこの問題に関わる主要なアクターと捉えて、資料調査・聞き取り調査を通して、単なる個別研究の寄せ集めとならないよう配慮しながら、ラテンアメリカ諸国に共通する促進/阻害要因と各国固有の要因を析出する。その成果は積極的な発信に努め、学術的貢献にとどまらず、多様性と寛容さの保障を求められている日本社会への提言へとつなげる。
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研究成果の概要 |
対象地域は性の多様性への寛容性を増す一方で、宗教・政治的保守勢力やマチスモ・家父長制といった文化規範によるLGBTフォビアが根強く、現在もなお包摂と排除を求める対抗勢力がせめぎ合っている。本研究では権利保障の進捗が異なる6カ国を、①国際社会の影響、②国内の諸要因(法制度、政治、宗教、市民運動)から比較分析し、90年代以降の民主化・経済のグローバル化の中で、国際社会の変化と各国の制度的制約や固有の文脈の間で、権利保障を推進/阻止する様々な過程を明らかにした。また権利保障国にはLGBTの権利を人権や広範な多様性の尊重の一部として位置づけ、他の市民運動と連携してきた点に、共通の特徴を見いだした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は、権利保障水準の異なる国をとりあげることにより、6カ国ではあるが地域としての特徴をまとめ、先行研究にみられる特定の保障先進国への関心の偏りを修正・補填し、さらに非西欧社会における多様な保障実現の経緯と個別の難しさを提示できたことにある。ここから他のラテンアメリカ諸国を含むより包括的研究、あるいは他の非西欧地域との比較研究への展開も可能となろう。また、人権や多様性の尊重など、LGBTをより広い理念枠組みの中に位置づけながら権利を実現してきたこの地域のありようは、議論を矮小化し、最低限の法案審議も遅れがちな日本社会に新たな方向性を示すものであり、そこに社会的な意義があると考える。
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