研究課題/領域番号 |
19H04391
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
江島 丈雄 東北大学, 国際放射光イノベーション・スマート研究センター, 准教授 (80261478)
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研究分担者 |
大山 隆 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60268513)
刀袮 重信 東京電機大学, 理工学研究科, 特別専任教授 (70211399)
東口 武史 宇都宮大学, 工学部, 教授 (80336289)
若山 俊隆 埼玉医科大学, 保健医療学部, 教授 (90438862)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | 軟X線 / 誘導放出抑制 / シンチレーター / STED / 超解像 / 吸収端構造 / 軟X線顕微鏡 / リン酸基 / コンフォメーション / 電子構造 / 高空間分解能 / ナノ |
研究開始時の研究の概要 |
リン酸基は生物細胞中において安定な結合単位の一つであり、その電子状態はP原子とO原子が作るsp3混成軌道がO原子に配位する有機分子やリン酸基が作る正四面体構造の構造変化によって変化する。本研究では、細胞核内のクロマチン構造変化やDNAの自己集合・分解に由来する電子構造変化をP吸収端を用いて明らかにし、その可視化を試みたい。 そのために、 I.リン酸基の数の大小によるリン酸化合物の電子状態変化を吸収端構造変化として測定し、その起源を明らかにする。 II.電子状態変化による部分状態密度画像を得るための波長可変な可視-軟X線2次元検出器の開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、軟X線顕微鏡を用いてDNAの位置と構造変化がP-L2,3吸収端構造に反映されることを実験的に見出し、更にDNA中のリン酸基を可視化し、その形状変化をリン酸基に結合する分子の変化として理解することを試みた。 具体的には、アポトーシス単離核の各段階において赤外とP-L吸収端の吸収測定を行い、それらのスペクトル形状変化からDNA中のリン酸基の変化を明らかにした。その結果、アポトーシスの進行につれて、赤外吸収からは主であったB-DNA構造が減少しA-DNAまたはZ-DNAに変化した。P-L吸収端スペクトル形状からはDNAが分解されPO4クラスターに変化したことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物学や医学の基礎となる細胞核中の変化の観測は、光学顕微鏡に蛍光染色技術を組み合わせた超解像顕微鏡による形状変化を追う手法が主である一方、退色や染色剤による構造変化が問題となる場合があり、蛍光染色法以外の超解像技術が求められている。 本研究で対象としたリン酸基は安定な結合単位の一つで、その電子状態は配位する分子に応じて変化する。本研究ではアポトーシス中の細胞核DNAの変化を赤外吸収と軟X線吸収の二つの波長域を用いて測定し、DNA中のリン酸基の振動状態および電子状態の変化と対応する細胞核の形状変化を明らかにした。その結果、これらの手法が超解像法として有用な手法である可能性を示した。
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