研究課題/領域番号 |
19H04395
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
片山 領 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教 (60806959)
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研究分担者 |
岩下 芳久 京都大学, 複合原子力科学研究所, 特任准教授 (00144387)
不破 康裕 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究職 (00817356)
佐伯 学行 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 准教授 (70282506)
久保 毅幸 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教 (30712666)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 積層薄膜 / 超伝導加速空洞 / 薄膜 / 超伝導空洞 |
研究開始時の研究の概要 |
従来の Nb 製超伝導加速空洞の性能向上はもはや限界に来ている。これに代わる次世代超伝導加速空洞の開発は喫緊の課題である。近年の研究成果は、空洞内面に数10 - 数100 nm の薄膜構造を導入することで、超伝導加速空洞の最大加速勾配の増加と表面抵抗の減少を実現できる可能性を示唆している。そこで、本研究では、人工的に生成した超伝導薄膜構造の導入による空洞性能の大幅な向上を目指す。薄膜試料を用いた実測と理論との比較を通じて理論の予言能力の向上を図り、最終的に人工薄膜を用いて性能が向上する薄膜構造をピンポイントで生成できるようになることを目標とし、次世代超伝導加速空洞開発の基盤を構築する。
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研究成果の概要 |
理論による磁束侵入開始磁場の計算結果と、実際に製作した様々な厚みの超伝導層を持つ積層薄膜試料の磁束侵入開始磁場測定の結果の比較を行い、理論の予言通り実験結果に最適膜厚が存在することを示し、その膜厚依存性が理論曲線と良い一致を示した。また、円盤ニオブの電解研磨処理技術の開発、空洞の成膜研究に使用するの 3 GHz 空洞とそのクーポン空洞の製作、スパイラルコイルによるロンドン長の測定装置、四つのコイルによる磁束侵入開始磁場の測定装置の開発を進めた。また、KEK-COI 棟に 3 GHz 空洞の性能評価のためのたて型電界性能評価試験設備を構築し、表面抵抗の測定が実現された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
理論値と実験値の良い一致が得られたことは、積層薄膜構造の導入による性能向上を技術的に制御できる可能性を示す初の例であり、学術的意義は高い。3 GHz 空洞の表面抵抗の測定は、1.3 GHz と異なる周波数の楕円空洞の性能評価が行われた日本初の例である。クーポン空洞の製作と四つのコイルによる磁束侵入開始磁場の測定装置の開発は 3 GHz 空洞の内面状態を評価する上で有用であり、ロンドン長の測定装置は今後の理論検証をより精密に行う上で有用であり、円盤ニオブ電解研磨処理技術は平板の積層薄膜試料の性能評価に必須である。いずれも今後の研究を遂行する上で意義がある。
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