研究課題/領域番号 |
19H04398
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
高山 あかり 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (70722338)
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研究分担者 |
松田 巌 東京大学, 物性研究所, 教授 (00343103)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | ボロフェン / 陽電子回折 / 光電子分光 / 構造解析 / TRHEPD / STM |
研究開始時の研究の概要 |
申単元素(ホウ素)単原子層「ボロフェン」の構造を精密に決定し,その新奇ディラック物性の起源を明らかにする.さらに新たな量子物性が期待されるボロフェンを合成するとともに,それぞれの原子構造と電子状態を系統的に明らかにする.本研究では陽電子回折法で原子構造を決定し,軟X線光電子分光で詳細に電子状態を調べる.光子(軟X線)と陽電子の2種類の量子ビームの協奏的利用による多種多様なボロフェンの系統研究により「低次元ホウ素材料科学」を新たな学問分野として切り拓くことを目的とする.
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研究成果の概要 |
本研究は,2次元ディラック電子系を示す単元素単原子層ボロフェンについて,全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法を用いた構造決定を行った。Ag単結晶上のχ3-ボロフェンの構造解析では、バックリングがない平坦なシート構造かつボロフェン特有の三角格子を持つ構造であると決定し、Ag基板とボロフェンシートの相互作用が弱いということを見出した。また、Al基板上のハニカムボロフェンの構造解析から先行研究で提案されている2種類の構造モデルの妥当性について検討した。基板との相互作用の弱い自立的な構造に近しいと結論した。また、ホウ化物およびその水素化ボロフェンにおけるボロフェン層の電子構造の研究を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、多種多様な構造を有したボロフェン及びホウ素化合物シートが理論的に予測・合成されており,それぞれに期待される物理・化学特性を元に電池材料などの次世代材料の設計が進められている.固体の特性や機能は構成する各原子の種類と配置によって決まるため,ボロフェンの物性を正確に理解するためには原子構造を正確に決定することは大変重要である。本研究は回折法によるボロフェンの構造解析の最初の研究例であり、本研究での量子ビーム協奏により得られたホウ素科学における基礎研究の結果は、領域の理解を深め、今後のホウ素研究の発展の礎となることができたと考える。
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