研究課題/領域番号 |
19H04406
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
清 紀弘 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (20357312)
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研究分担者 |
境 武志 日本大学, 理工学部, 准教授 (20409147)
田中 俊成 日本大学, 理工学部, 研究員 (30155147)
小川 博嗣 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (60356699)
住友 洋介 日本大学, 理工学部, 助教 (70729243)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2019年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 量子ビーム計測 / コヒーレントチェレンコフ放射 / テラヘルツ / 縦偏光 / 量子ビーム / 光源技術 |
研究開始時の研究の概要 |
非線形分光の研究が光誘起相転移の観測等に有用なテラヘルツ帯でも開拓され、尖頭出力および平均出力の高い広帯域光源の開発が希求されている。この学術的課題に応えるため、我々は平面波コヒーレントチェレンコフ放射の原理を考案した。中空円錐管内で発生した放射を円錐管底面から平面波として取り出せるため、既存の加速器光源技術よりも1桁以上強い広帯域テラヘルツ光を期待できる。本研究では日本大学の加速器施設にて平面波コヒーレントチェレンコフ放射源を開発し、従来にはない高尖頭出力かつ高平均出力のテラヘルツ光源を実現する。さらに、集光ベクトルビームによる微細構造の形成機序解明なども期待され、光科学の発展に貢献する。
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研究成果の概要 |
日本大学電子線利用研究施設LEBRAにて、高抵抗シリコン製の中空円錐管に相対論的電子ビームを通過させて高強度の平面波コヒーレントチェレンコフ放射源を開発した。発生したテラヘルツビームはトロイダル鏡を使用したテラヘルツビームラインにて実験室へ輸送され、乾燥空気環境下にて分析された。マイケルソン干渉計によってコヒーレントエッジ放射と分離され、中空円錐管にて発生したテラヘルツビームが平面波コヒーレントチェレンコフ放射であることが確認された。中空円錐管の改良を行い、放射強度の増大と縦偏光電場の特性解明を継続する予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コヒーレントチェレンコフ放射の基本特性に関する研究は東北大学や京都大学にて20年ほど前に行われていたが、集光の困難さ故に光源としては普及しなかった。しかし、10年ほど前にUCLAが金属被覆の石英中空円錐管にて単色のコヒーレントチェレンコフ放射発生に成功し、再び脚光を浴びるようになった。この研究では0.01mJを超える出力が得られているが、単色化のためにパルス幅が長くなり、尖頭出力はMWには到達しない。本研究では、誘電体構造を工夫して円錐面で広がる放射を平面波に変換するため、従来にない高尖頭出力・高平均出力の広帯域テラヘルツ光を創生できる。加速器科学の発展とテラヘルツ応用の推進が期待される。
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