研究課題/領域番号 |
19H04425
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
瀬川 至朗 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (00515413)
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研究分担者 |
乾 健太郎 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (60272689)
関谷 直也 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 准教授 (30422405)
牧野 恵美 広島大学, 学術・社会連携室, 准教授 (90706962)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | ファクトチェック / 偽情報 / 誤情報 / 選挙 / COVID-19 / 疑義言説 / 有効性 / メディアリテラシ― / Disiinformation / Misinfomation / 自然言語処理 / 沖縄県知事選挙 / ファクトチェッカー / 非党派性 / 公正性 / メディアリテラシー / Disinformation / Misinformation |
研究開始時の研究の概要 |
インターネット上でのDisinformation(偽情報)とMisinformation(誤情報)の拡散が深刻化しており、その対応策として真偽不明の情報を検証するファクトチェック・システムが注目されている。本研究では、①ネット上の偽情報・誤情報の実態とファクトチェック・システムに関する海外の実情把握に努めたうえで、日本について、②ネット上の偽情報・誤情報の実態と分類、③ネット上の偽情報・誤情報に対する人々の認識とその拡散が人々に与える影響、④これまで実施されたファクトチェック・システムの有効性と限界――を調査・分析する。研究結果を総合し、実効性のあるファクトチェック・システムの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は、NPO法人ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)が収集している疑義言説のデータ分類と分析を実施し、日本における偽情報・誤情報の特徴を調査した。また、2021年衆議院選挙などのファクトチェック支援策をプロジェクトとして実施した。 FIJは、日本のファクトチェック活動を推進する目的で、ツイッター上の疑義言説(真偽不明の言説・情報)を自動検知するFCCシステムや一般通報情報などを基に、主に影響度の高い疑義言説を人力でClaimMonitor(CM)という疑義言説データベースに掲載し、ファクトチェック実施メディアに提供している。ファクトチェック記事のうち65%はCM情報を活用している(2020年時点)。 今回は日本における偽情報・誤情報の特徴を把握する目的で、2020年1月~21年8月のCMのデータベースを整理・分析した。CMに収集・掲載された疑義言説は約4300件で月平均215件。疑義言説の発信媒体を分類したところ、トップがSNS(75)で、ニュースメディア=所属記者らの発信含む=(12)、ポータルサイト(4)、個人サイト/匿名サイト(2)、企業・団体サイト(0.5)、公的機関サイト(0.5)と続いた(括弧内は%)。影響度の高い疑義言説という観点からは、ニュースメディアなどの発信も検証対象の候補になっている点は注目すべきであり、今後、さらに分析を進める必要がある。 ファクトチェック支援策プロジェクトは、FIJに委託して21年衆議院選挙、22年参議院選挙、22年沖縄県知事選挙を対象にそれぞれ実施した。具体的には、党首討論会、テレビ討論会などの全文文字起こし、事実言明マーキング、「CM収集・掲載の強化」である。支援策の有効性について分析を進めている。 また、ファクトチェック白書は、「総論」「世界のファクトチェック活動」の部分を完成させ、オンラインで公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度も新型コロナ感染症の影響で研究協力者・研究協力機関の協力を得るのが難しかった。海外現地調査は2022年度に実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナ感染症の拡大で実施できなかった海外のファクトチェック支援組織などの現地調査を2022年度に実施し、海外事例との比較で実効性あるファクトチェック・システムの要件を検討する。さらに2021年度までに取り組んできた研究をさらに進展させ、本研究の成果を盛り込んだファクトチェック白書を完成させ、PDF版を公開する予定である。
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