研究課題/領域番号 |
19H04441
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
西沢 望 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (80511261)
|
研究分担者 |
口丸 高弘 自治医科大学, 医学部, 講師 (10570591)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2019年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
|
キーワード | 生体光学 / がん診断 / 円偏光 / 光散乱 / スピントロニクス / 光学生検 / 生体工学 / がん検出 / 生体イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
円偏光を生体組織に照射し、その散乱光の偏光状態を調べることにより生体組織の変化を検出することができ、実際にがん幹部の識別が報告されている。この技術に申請者が開発した小型化可能な円偏光発光ダイオードを適用して内視鏡先端などに搭載することによって、無染色・非侵襲でかつ生体内その場観察が可能な新たながん検出技術の創出を目指す。本研究ではそのために、生体模型・生体組織に対する円偏光応答実験及び シミュレーションを用いて円偏光の散乱過程の解明、技術の適用範囲の検討に取り組み、最終的には、生体内に導入可能な複合がん検出素子の開発する。
|
研究成果の概要 |
円偏光の散乱による偏光解消を用いたがん診断技術の開発を目指して、偏光解消メカニズムの解明、本技術の適用範囲の解明、がん検出素子の開発を進めた。生体試料を用いた実証実験では、がん転移部と健常部において散乱光の偏光度に一定の差が生じていることが示され、計算によりその差ががん化による細胞核の肥大化に起因することを明らかにした。また、光学配置の変調により深さ分解能を有する可能性が示された。以上のことから、早期がんの深達度測定やスキルス胃がんの検出などに対して本技術が有効である可能性が示唆された。前者に関しては、計算上表面から2mm程度までの深達度計測が可能であることが示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在のがん診断技術の主流はいずれも蛍光剤の投与および組織の切除を伴うものである。それらを要さない光のみの診断技術としては狭帯域光観察などがあるが、これは平面分解能が高い反面、深さ方向には情報を得にくいため、別の現象を基にした非侵襲な光学的手法の開発として本研究の技術は有用であると考えられる。また本研究で有用性が示された早期癌の深達度計測は切除を伴わず患者負担を軽減する上、診断の迅速化を促進するものと考えられる。一方で、光の偏光特性は積極的には応用されてこなかったが、散乱現象を介した測定技術としての活路を開き、未開拓の偏光応用という分野を切り開くことは学術的にも産業的にも意義深いと考えられる。
|