研究課題/領域番号 |
19H04443
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
高成 広起 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 特任講師 (70723253)
|
研究分担者 |
井上 高教 大分大学, 理工学部, 教授 (40243969)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2019年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
|
キーワード | ラマン分光分析 / 磁気共鳴 / ラマン散乱光 / 水分子 / 生体サンプル / 生体計測 / 分光分析 / 生体イメージング / ラマン散乱光分析 / 生体観察 |
研究開始時の研究の概要 |
物質に一定波長の光を照射すると、物質を構成する分子の振動に依存して波長が変化するラマン散乱光が発生する。近年、ラマン散乱光分析は非標識観察技術として生命科学分野で注目され、生体応用の試みが盛んになっている。申請者もラマン分光分析により正常組織と線維化、炎症、脂肪蓄積などの病変組織を判別することに成功したが、生体由来ラマン散乱光は極めて複雑かつ微弱で、病変物質の特定には至っていない。そこで、磁気共鳴技術との融合によって生体由来ラマン散乱光を修飾し、より多くの情報を引き出す「磁気共鳴ラマン分光法」という光センシングの新概念を開き、生体光センシング技術への応用の可能性を検証する。
|
研究成果の概要 |
PVAハイドロゲルやオレイン酸などの標準試料に対して、静磁場と、それに直交する様々な周波数の交流磁場を加えた。C-C結合のスペクトルでは交流磁場の周波性に依存してラマン散乱光の増強と一部ピークシフト、またメチル基・メチレン基のC-H結合に由来するスペクトルでは特定周波数の交流磁場によるラマン散乱光の減高とピークシフトなどの複数のスペクトル変化を認めた。このことから、ラマンスペクトルを磁場によって修飾できる可能性が示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PVAハイドロゲルやオレイン酸などのサンプルで、C-C結合やC-H結合に由来するラマンスペクトルが磁場により変化することが示された。これらの分子結合は生体にも豊富に存在することから、生体試料でも本手法が応用できる可能性が示された。但し、生体にはC-C結合やC-H結合をもつ物質は多彩で、物質の判別にはより多彩な分子結合の磁場に対する影響を検証し、ライブラリ化する必要がある。逆に、これらの情報がライブラリ化されれば、非破壊で質量分析が可能なシステム、磁気共鳴ラマン質量分析法(MR-Raman MS)の概念が確立できる可能性がある。
|