研究課題/領域番号 |
19H04455
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
八木 高伸 早稲田大学, 理工学術院, 主任研究員(研究院准教授) (00468852)
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研究分担者 |
中村 匡徳 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20448046)
杉田 修啓 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20532104)
坂口 勝久 早稲田大学, 理工学術院, 准教授(任期付) (70468867)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | 血管 / 血流 / 培養 / 動脈瘤 / 力学 / 病理 / ひずみ / 疾患 / 脳動脈瘤 / 細胞死 / ストレス / 細胞増殖 / スティフネス / 病態解明 / リモデリング / 血栓 / 病的リモデリング / 平滑筋細胞 / 血管疲労 / シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、脳動脈瘤を対象とし、発症後の瘤が、いつ、どのように成長していくかを予測する技術を創出する。本研究の特徴は、病理形態学に着目して、菲薄性と肥厚性という二種類の血管リモデリング過程を解明し、成長過程を時間定量的に予測するシミュレーション技術の創出にある。ヒト病理、動物実験、疲労試験、計算生体を有機的に組み合わせることにより、瘤の成長には、血栓形成を分岐点とする二種類の血管リモデリングが介在するという新概念を導出し、血栓形成を分岐点とする実時間応答的血管壁リモデリングモデルを開発する。それにより、動脈瘤の成長過程をシミュレーションし、臨床データと比較してモデルの妥当性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
脳動脈瘤は菲薄壁と肥厚壁からなり,二種類の血管組織リモデリングが介在すると考えられるがその機構は解明されていない.本研究では,ヒト病理,動物実験,体外実験,生体計算より当該機構の解明およびモデル化を実施した.結果,瘤の成長とは,血圧による血管壁のひずみと関連しており,ひずみの増大による平滑筋細胞の集団的壊死を起点とした微小亀裂の発生によることを明らかにした.亀裂発生部では止血栓が形成され血管壁を修復しようとするが,止血栓の形成は環境依存性を有しており,血流の衝突やひずみの集中は止血栓の形成を阻害する因子であり,血栓形成を分岐点として菲薄化,肥厚化へとリモデリングが分岐することを見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳動脈瘤の病態は血流,血栓,炎症と関連すると考えられてきたが,これらは血管壁の修復に関連する因子であり,病態全体としては従属因子に相当し,瘤進展の支配因子は血管壁のひずみであることを見出した.本研究より「病理学と物理学の接点形成による血管病の病態解明と新医療技術の創成」という新学術領域への発展を期待できる.将来期待される技術の一つとしてはひずみ分析より菲薄化・肥厚化を非侵襲病理診断する技術である.瘤の破裂危険度は瘤のサイズにより診断されているが,非侵襲病理診断により診断精度を飛躍させられれば,患者QOLはもちろん,本邦のお家芸である人間ドックの海外展開などの新医療産業の芽生えに貢献できる.
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