研究課題/領域番号 |
19H04467
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鳴瀧 彩絵 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10508203)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
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キーワード | Elastin / Hydrogel / Nanofiber / Rheology / Cell culture / ナノバイオ / 生体材料 / ポリペプチド / エラスチン / ゲル |
研究開始時の研究の概要 |
エラスチンは生体組織に伸縮性を付与する重要なタンパク質であるが、高い疎水性に由来するハンドリングの難しさから、材料利用が大幅に遅れている。本研究は、扱いやすく機能性にすぐれる革新的なエラスチン系材料を創出してライフサイエンスの発展に貢献することを目的とする。研究代表者が開発してきた「二重疎水性エラスチン類似ポリペプチド」の戦略的な配列改変により、細胞の三次元培養の足場として使えるハイドロゲルを得る。ゲルのレオロジー特性を明らかにし、細胞挙動との相関を調べる。この新素材は、エラスチンの粘弾性特性を活かした細胞培養基材や創傷治療剤、再生医療や創薬研究のプラットフォームとして幅広い応用が期待される。
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研究成果の概要 |
エラスチン類似ポリペプチドGPGが形成するハイドロゲルの動的粘弾性測定を実施し、ゲルの機械的特性を明らかにした。GPG末端の細胞接着性配列の有無によらず、平衡時のゲルは同等の機械的特性を示したことから、GPGゲルは力学特性と生物学的特性を分離して評価しうるハイドロゲルであることがわかった。また、GPGゲルは振とうにより液状化、静置により再ゲル化する自己修復特性を持つことを見出した。この特徴を利用し、温和なピペッティング操作のみで、ゲルへの細胞包埋とゲルからのスフェロイド回収を達成した。本研究により、細胞三次元培養に使用できるエラスチン系ハイドロゲルを初めて確立できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エラスチンは生体組織の伸縮性に寄与する細胞外マトリックス成分である。その力学特性は他の生体適合性材料で代替できないことから、エラスチンは医用材料としてユニークな位置づけにあり、活用が期待されている。しかし実際には、他の細胞外マトリックスであるコラーゲンやヒアルロン酸に比べ、利活用が大幅に遅れている。これは、生体エラスチンが溶媒に溶けず、取り扱いが著しく困難であるからである。研究代表者は、エラスチンの主要機能を再現でき、取り扱いが容易な人工タンパク質を開発してきた。本研究では、この人工タンパク質が形成するハイドロゲルの粘弾性を初めて明らかにし、細胞三次元培養に使用できることを実証した。
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