研究課題/領域番号 |
19H04471
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
|
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
城崎 由紀 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (40533956)
|
研究分担者 |
早川 聡 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 教授 (20263618)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
|
キーワード | ケイ素 / 有機-無機複合体 / 分解性材料 / 組織再生足場材料 / キトサン / ケイ素化合物 / 神経細胞 / ヒドロゲル / 細胞応答性 / ケイ素周囲の構造 / 神経組織再生 / 複合体薄膜 / 複合体 / 希薄溶液 / 構造解析 / 骨芽細胞 / 細胞増殖 / 形態観察 |
研究開始時の研究の概要 |
溶液中におけるケイ素化合物の微細構造およびそれら構造と各種細胞挙動の関係を明らかにし,生体組織の再生をより促進する足場材料の設計に繋げる。すなわち, ① 有機-無機複合体中および溶出中のケイ素化合物の構造を特定する。 ② 特定したケイ素化合物の微細構造に対する骨芽細胞・線維芽細胞・神経細胞の挙動に与える影響を明らかにする。 ③ 良好な細胞応答性を示すケイ素化合物構造を有する組織再生足場材料を創製する。 ①~③を通して,ケイ素化合物の微細構造と細胞挙動の関連性を明らかにし,生体組織再生を加速し得る足場材料創製への新規材料設計指針を提唱する。
|
研究成果の概要 |
本研究では,生体必須微量元素であるケイ素の重合構造に着目し,ケイ素化合物が組織再生に及ぼす影響を複合体からの溶出物と細胞応答性の関係から明らかにした。これまでのケイ酸イオン濃度の影響だけではなく,溶出物のシロキサン結合(-Si-O-Si-)の重合状態や,有機官能基の存在が骨芽細胞,神経細胞,骨髄間質細胞の増殖に影響することを明らかにした。また,ケイ素化学種が細胞内に取り込まれていなくても,各種細胞に影響を与えることも分かった。さらに,細胞種によって,その影響の有無が異なることも明確になった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ケイ素は,ケイ酸として鉱物や土壌中に極めて大量に存在する元素であり,生体にとっても必須微量元素の一つである。これまでの多くの研究から,ケイ酸やケイ素化合物が生体組織や各種細胞応答に影響を及ぼすことが報告され,細胞応答性とケイ素濃度が関連付けられてきた。本研究では,ケイ素周囲の構造と細胞応答性に着目することにより,その構造の違いが細胞応答性に影響があること,また細胞種によってその影響は異なることを明らかにした。さらに,抗菌薬担持薄膜や神経再生ヒドロゲルの創製へと応用展開し,ケイ素化合物の生体材料への利用価値をこれまでとは異なる視点で明らかにした。
|