研究課題/領域番号 |
19H04475
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
陳 国平 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, グループリーダー (50357505)
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研究分担者 |
川添 直輝 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主席研究員 (90314848)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 光温熱療法足場材料 / 光温熱療法 / 多孔質材料 / 光熱変換ナノ粒子 / 複合材料 / がん治療 / 組織再生 / 生体吸収性高分子 / 複合多孔質材料 / 免疫治療 |
研究開始時の研究の概要 |
従来のがん治療法である手術療法、化学療法、放射線療法にはそれぞれ問題点が指摘されている。手術療法では、切除した組織が欠損したままでは患者のQOLが低下してしまう。化学療法、および放射線療法には副作用の問題がある。本研究ではこのような問題を解決するため、がん組織を手術で切除した後も、残存または転移したがん細胞を死滅させるとともに、切除部位の組織再生も促す多孔質材料を開発し、その機能を評価する。
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研究成果の概要 |
外科手術で除去しきれなかったがん細胞を死滅させるとともに、切除によって欠損した組織を再生し、機能回復を図る光温熱療法足場材料を開発した。具体的には、金ナノ粒子、黒リンナノシート、及び黒リンと金を複合化したナノ粒子を生体吸収性高分子のゼラチンやコラーゲン、乳酸-グリコール酸共重合体と複合化した。得られた複合多孔質材料は、近赤外光照射で発熱し、乳がん細胞やメラノーマ細胞を効率よく死滅することができた。また、本複合多孔質材料は間葉系幹細胞の増殖と脂肪分化、線維芽細胞の増殖と組織形成を促進した。これらの複合多孔質材料はがん細胞を殺傷する効果と正常組織の再生を促進する効果を兼ね備えていることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究開発で開発した光温熱療法足場材料は、外科手術で残存したがん細胞を効率よく死滅させるだけでなく、切除によって欠損した組織を再生できることが示された。本材料は外科手後、患部に直接に埋入するので、光熱変換ナノ粒子などをがん組織に効率よく集積でき、従来よりも飛躍的に治療効果を高めることが可能になる。また、外科手術の切除部位に埋入することで、ナノ粒子をがん組織以外の正常組織の細胞による取り込みを避けることができ、副作用を抑えることもできる。光温熱療法足場材料は、バイオマテリアルを活用した新たながん治療法として、学術、社会の双方に貢献すると期待される。
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