研究課題/領域番号 |
19H04477
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 (2020-2022) 国立研究開発法人物質・材料研究機構 (2019) |
研究代表者 |
小林 尚俊 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 非常勤講師 (90354266)
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研究分担者 |
橋本 良秀 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (40638384)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2021年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 脱細胞角膜足場 / 再生メカニズム / 上皮化 / 細胞浸潤 / 脱細胞足場 / 角膜実質再生 / メカニズム / 角膜再生 |
研究開始時の研究の概要 |
脱細胞化角膜実質足場に関して、角膜上皮との相互作用を詳細に検討し、欠損部位へ組み込んでいく手法を確立することを目的とした。これまでの研究では、脱細胞化角膜実質足場を用いた再生では、上皮細胞との相互作用が角膜実質再生に大きな影響を与える可能性が示唆されている。本研究では、脱細胞角膜実質足場の上に、分散した上皮細胞とシート上皮をそれぞれ播種し、足場と上皮細胞の境界部分の構造の変化やメタロプロテアーゼの分布などを比較評価することで角膜実質再生のメカニズムを解明することを目標とした。更に、最適な適応法を探りながら角膜上皮シートを脱細胞化角膜実質足場と組み合わせて用いる手技の有用性を検討する。
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研究成果の概要 |
還流培養系で脱細胞組織上に上皮細胞を播種し培養を継続した結果、全面に多層上皮化層が形成された。この上皮層に傷を付け連続性を壊し上皮の再生機序を探索した。上皮先端から欠損部へ上皮細胞が移動し再上皮化が進む様子が観察された。再上皮化が進む中、一部上皮化の進行が遅く実質内への細胞浸潤が起こるケースが見られた。免疫染色でMMPの発現、ケラチンの発現状態を検索した結果、脱細胞組織上の多層上皮層ではケラチンの発現が弱く、MMPの発現が継続していた。実質へ浸潤した細胞ではMMPの発現が顕著でありケラチンの発現は認められなかった。角膜上皮が実質内へ浸潤し、後成学的に細胞の分化状態が変化した可能性を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
角膜治療の第一選択肢は献眼によるアログラフトを使用するものであるが、献眼数が少なく輸入眼に頼るのが現状である。この状況を改善するために、豚角膜から細胞成分を除去して免疫拒絶反応を低減させて人角膜治療に用いる試みがなされている。この治療は、有望であるが、未だ詳細な再生メカニズムが分かっているわけではなく、これを解き明かすことがこの治療法の信頼性の向上につながる。脱細胞組織の上皮化、および、組織内への細胞浸潤のメカニズムなどの一部が本研究より明らかになり、今後の実用化に向けた医療デバイスとしての製品デザインに資する結果が得られたことは、学術的にも、実用上に於いても大きな意義を持つものと考えられた。
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