研究課題/領域番号 |
19H04489
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
中島 雄太 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (70574341)
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研究分担者 |
藤原 章雄 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (70452886)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
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キーワード | リキッドバイオプシー / BioMEMS / がん検診 / バイオマイクロデバイス / がん検出 / バイオセンサ / QCM / オンチップリキッドバイオプシー / 原発巣診断 / がん診断 |
研究開始時の研究の概要 |
がんを早期発見するためにはがん検診が重要であり、血液などの生体液から診断が可能なリキッドバイオプシーの実現が期待されている。これまでに、がん患者の血液中にわずかに存在する循環腫瘍細胞や尿に含まれる匂いをターゲットとして診断する技術が開発され有効性が示されてきたが、どれもがんの有無を識別するものであった。本研究では、リキッドバイオプシーでがんの原発巣を診断する仕組みを構築することを目的とし、センサとして細胞のセンシング能を利用することを発想した。これを実現するために、生化学的アプローチによりがん環境中での細胞の動態解析を行い、工学的アプローチによりがん原発巣診断デバイスを構築する。
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研究成果の概要 |
本研究では、リキッドバイオプシーによりがんの原発巣を診断することが可能な技術を開発することを目的とし、がんを見つけるセンサとして細胞を活用する技術を考案した。このデバイスは、センシング用細胞を培養するための流路とがんを検出するための検出部から構成される。サンプルとして、がん細胞の培養上清を細胞培養部に導入したところ、センシング用細胞ががんの種類に応じて異なる産生物を産生することを明らかにした。また、その産生物を検出部でリアルタイムに検出できることを実証した。がんを移植したマウスの血清を用いた実験でも検出に成功しており、構築した技術の更なる高度化によりがんの原発巣を特定できることを示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんを早期に発見する点において、リキッドバイオプシーは低侵襲かつ簡便、高速に検査できる点で有用であることが周知の事実であるが、既存の技術では、原発巣を特定できないことが大きな課題である。本研究の成果は、リキッドバイオプシーによってがんの原発巣を特定できる可能性を示唆した点で、がん医療における早期発見、早期治療の観点で非常に大きな社会的意義がある。また、本成果は、自身の細胞を用いた評価が可能なため、がんの診断のみならず、他の疾患への適用や、細胞応答を基にした治療薬のスクリーニングや治療方針決定に適用することができるなど、次世代医療への展開・貢献も期待でき、学術的・社会的意義を持つ。
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