研究課題/領域番号 |
19H04490
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
高橋 尚彦 大分大学, 医学部, 教授 (30263239)
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研究分担者 |
安部 一太郎 大分大学, 医学部, 客員研究員 (00747595)
手嶋 泰之 大分大学, 医学部, 講師 (10457608)
宮本 伸二 大分大学, 医学部, 教授 (70253797)
福井 暁 大分大学, 医学部, 助教 (70631381)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 心外膜脂肪 / 心房線維化 / 心房細動 / 線維化 / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
心外膜脂肪の蓄積は心血管病発症を促進する。申請者らは心房細動患者の左心房標本を解析し,“心外膜脂肪と心房筋が接する箇所に線維化が生じ,心外膜脂肪中の悪玉サイトカインの量が線維化と相関すること”を解明した。しかし左心房標本は手術時の1点でしか得られないため“心外膜脂肪がどのような機序で心房線維化を惹起するかが不明”という課題が残った。本研究の目的は,“器官培養系を用いてヒト心外膜脂脂肪が心房線維化を惹起する機序を明らかにする”ことである。さらに病理解剖の御遺体を用い脂肪の部位による線維化様式の違いを解明する。そして“器官培養系を応用し心房線維化を抑制する化合物のスクリーニング系を構築する”。
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研究成果の概要 |
【方法】病理解剖が行われた9症例の左心房周囲の心外膜脂肪(EAT)および腹部皮下脂肪(SAT)を採取し,conditioned medium(CM)を作成した。ラットから単離した左心房を器官ごと培養し,CMを1日1滴心外膜側から滴下した。【結果】EAT-CMは線維化を惹起しSAT-CMに比べ顕著であった。EAT-CM内のAngptl2濃度はSAT-CM内よりも高かった。心房細動を有する患者のEATは心房線維化惹起作用が顕著であった。リコンビナントAngptl2は線維化を惹起し,抗Angptl2抗体はこれを減弱させた。【結語】心外膜脂肪中のAngptl2は心房細動の新たな治療ターゲットに成る。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心房細動は心房線維化によってもたらされる。本研究では,器官培養法という独創的な方法によって,ヒト心外膜脂肪が心房に線維化を惹起する様子を再現できた。また,Angptl2がこの経路に関与し,これを標的とした薬物を開発すれば,あらたな心房細動治療薬になり得ることを示すことができた。心房細動患者は本邦に数百万人いるとみられ少なからずの患者に脳梗塞を引き起こす。本研究の成果を心房細動阻止に結び付けたい。
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