研究課題/領域番号 |
19H04502
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山本 元司 九州大学, 工学研究院, 教授 (90202390)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 立位姿勢安定性 / 転倒リスク評価 / 線形同定手法 / ヒト立位安定性 / システム同定 / 極・零点 / 安定化制御システム / ヒト歩行安定性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではヒトの転倒に対して,生体力学的側面に焦点をあて,転倒に至るメカニズムの解明とヒト歩行安定性および立位安定性との関連を明らかにする.これにより安全な力学的歩行アシスト装置等の福祉機器の設計に寄与するとともに,高齢者で問題となっている転倒事故の対応策に関する学術的貢献を目指す.このため,特にヒトが本来有する立位安定性と歩行安定性を定量的に評価し,これに関与する要因を力学モデル構築により明らかにすることを目的とする.
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研究成果の概要 |
本研究では転倒リスク評価のため,力学外乱による姿勢変動から転倒せず回復する能力の基礎となる,ヒト姿勢安定化性能に対する評価手法を確立した.これは下肢への力学外乱印加時の姿勢応答入出力データに基づいて,入出力伝達関数を線形同定することで実験的に求め,この伝達関数の安定性を表す極を数値的に評価することで,信頼性の高い姿勢安定性指標を得るものである.さらに本研究では,姿勢変動時の筋活動測定により,姿勢を安定化する戦略は被験者により異なり,これにより安定化に寄与する主要筋も異なる場合があること,姿勢安定性定量評価値と姿勢安定化に寄与する主要筋の筋活動とは密接な関係があることがわかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで転倒リスク評価に関しては,信頼できる定量評価手法が確立していなかった.本研究での力学外乱応答を用いた数理モデルに基づく手法では,同じ被験者では何度測定してもほぼ同じ評価値を得ることができ,実験条件の違いや被験者による差異も明確となることから,信頼性の高い定量評価手法となっている.また姿勢回復時における筋活動評価により,転倒回避戦略は被験者により異なり,主に作動する筋骨格系も異なることを明らかにした.これらの成果により,転倒リスク低減のための転倒リスク評価と,これに基づく対応策を検討できるようになった.
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