研究課題/領域番号 |
19H05652
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
大区分H
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
齊藤 和季 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, センター長 (00146705)
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研究分担者 |
吉本 尚子 千葉大学, 大学院薬学研究院, 講師 (10415333)
関 光 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (30392004)
庄司 翼 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 教授 (40343272)
村中 俊哉 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (60342862)
山崎 真巳 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (70222370)
高上馬 希重 北海道医療大学, 薬学部, 准教授 (80342781)
中林 亮 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (30586160)
東 泰弘 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (90634577)
榊原 圭子 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 上級研究員 (20360555)
Rai Amit (ライ アミット) 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (60760535)
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研究期間 (年度) |
2019-06-26 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
200,980千円 (直接経費: 154,600千円、間接経費: 46,380千円)
2023年度: 31,330千円 (直接経費: 24,100千円、間接経費: 7,230千円)
2022年度: 31,330千円 (直接経費: 24,100千円、間接経費: 7,230千円)
2021年度: 31,330千円 (直接経費: 24,100千円、間接経費: 7,230千円)
2020年度: 47,190千円 (直接経費: 36,300千円、間接経費: 10,890千円)
2019年度: 59,800千円 (直接経費: 46,000千円、間接経費: 13,800千円)
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キーワード | 薬用植物 / ゲノム / メタボローム / トランスクリプトーム / 甘草 |
研究開始時の研究の概要 |
医薬学や医療分野において重要性が増加し、主に国内で栽培されている薬用植物について、そのゲノムや化学成分に関連する研究を行う。有効成分の異なる甘草の複数種などについて、それらのゲノム配列とメタボロームデータ等を基に成分パターンなど関連している遺伝子などを推定する。さらに、甘草以外の重要な薬用植物についても薬用成分の生産に関与している遺伝子を推定する。さらに、これらの遺伝子や成分を応用する事により、新規の医薬成分の生産や薬用資源植物の持続的な有効利用などに利用する。
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研究実績の概要 |
本研究は、今後医薬学や医療分野において重要性が増加する薬用資源植物の統合ゲノム科学を推進することを目的とする。特に、漢方処方において重要生薬である「甘草」とその他の薬用植物について薬用成分の生産に関する統合ゲノム科学を推進し、薬用資源植物の化学的多様性のゲノム起源解明に資する。 すでに2016年にドラフトゲノム配列を発表した1系統(品種)のウラル甘草について、8本の染色体から構成される全長429メガ塩基対の染色体スケールでほぼ完全につながった高品質ゲノム解読に成功した。甘草ゲノムでは、かつて起こったゲノム重複の痕跡と考えられる染色体間でのシンテニーの存在が認められ、また、同じマメ科に属するタルウマゴヤシや大豆ともシンテニー関係が認められた。グリチルリチンや関連サポニン生合成に関わる酵素遺伝子のほぼ全体が二つの染色体にクラスターとして存在していることが確認された。また、別の薬効成分として知られるイソフラボノイド生合成に関連する遺伝子クラスターも同定された。以上の成果はDNA Research誌に発表した。 さらに、ナス科タバコの主要アルカロイドであるニコチン生合成を制御する転写因子をゲノムレベルで解明し、当該遺伝子のゲノム編集によって超低ニコチン含量のタバコを作出した。本成果はPlant Journal誌に発表した。 また、薬用植物等から広範なメタボローム情報を収集すると共に、薬用植物等における二次代謝成分の生合成遺伝子と酵素の機能推定も進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1系統(品種)のウラル甘草について、染色体スケールでほぼ完全に繋がった高品質のゲノム配列を解読し、薬効成分生合成に関与する遺伝子クラスターの存在を解明できた。この成果は専門誌に発表し、同時に関係機関からプレスリリースと動画配信を行った。また、その他の薬用植物等についての順調にゲノム解読とその機能同定が進展した。さらに、メタボロームのアノテーションデータベース化や二次代謝成分等の生合成に関与するいくつかの遺伝子機能を推定できた。これらの成果を複数の論文および学会発表として公表した。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度公表したウラル甘草の高品質ゲノム配列アッセンブリをもとに、さらに多数の系統(品種)の解析によりウラル甘草についての「汎ゲノム解析」を推進する。他の甘草属植物種についても高品質ゲノム配列決定に加え、トランスクリプトームおよびメタボロームデータを併せて、ウラル甘草のゲノム等と比較解析を行う。特に、ゲノムワイドアソシエーション解析について、グリチルリチンを含有する種や品種およびグリチルリチンを含まない種についてのゲノム配列を成分蓄積のデータと統合して、成分生産と相関する遺伝子変異を推定する。 また、重要資源植物におけるテルペノイド、アルカロイド、含硫黄化合物等の生産に関わるゲノム領域や遺伝子を決定するためにゲノム関連科学を継続する。重要資源植物等の広範なメタボローム情報の収集を進め、二次代謝成分の生産に関わる候補遺伝子の機能同定とその生産制御への応用に展開する。
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評価記号 |
中間評価所見 (区分)
A: 研究領域の設定目的に照らして、期待どおりの進展が認められる
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