研究課題/領域番号 |
19H05662
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
大区分J
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中島 研吾 東京大学, 情報基盤センター, 教授 (20376528)
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研究分担者 |
荻田 武史 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00339615)
岩下 武史 北海道大学, 情報基盤センター, 教授 (30324685)
片桐 孝洋 名古屋大学, 情報基盤センター, 教授 (40345434)
下川辺 隆史 東京大学, 情報基盤センター, 准教授 (40636049)
長尾 大道 東京大学, 地震研究所, 准教授 (80435833)
八代 尚 国立研究開発法人国立環境研究所, 地球システム領域, 主任研究員 (80451508)
松葉 浩也 東京大学, 情報基盤センター, 客員研究員 (30444095)
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研究期間 (年度) |
2019-06-26 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
198,510千円 (直接経費: 152,700千円、間接経費: 45,810千円)
2023年度: 43,940千円 (直接経費: 33,800千円、間接経費: 10,140千円)
2022年度: 42,120千円 (直接経費: 32,400千円、間接経費: 9,720千円)
2021年度: 44,070千円 (直接経費: 33,900千円、間接経費: 10,170千円)
2020年度: 41,990千円 (直接経費: 32,300千円、間接経費: 9,690千円)
2019年度: 26,390千円 (直接経費: 20,300千円、間接経費: 6,090千円)
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キーワード | 「計算・データ・学習」融合 / 大規模シミュレーション / データ駆動型アプローチ / 混合精度演算・精度保証 / ヘテロジニアス環境 / 計算科学・データ科学・機械学習の融合 / エクサスケールシステム / 高性能・高信頼性・省電力アルゴリズム / 自動チューニング / 精度保証 / スーパーコンピューティング / 計算科学 / データ同化 / 機械学習 / 低精度・混合精度・変動精度演算 / ヘテロジニアスコンピューテイング / 混合精度演算 |
研究開始時の研究の概要 |
エクサスケール時代のスパコンによる科学的発見の持続的促進のために,計算科学にデータ科学,機械学習の知見を導入した(計算+データ+学習)融合による革新的シミュレーション手法を提案する。最小の計算時間・消費電力での融合の実現のために,①変動精度演算・精度保証・自動チューニングによる新計算原理に基づく高性能・高信頼性・省電力数値解法,②機械学習による階層型データ駆動アプローチの二項目を中心に研究し,革新的ソフトウェア基盤「h3-Open-BDEC」として整備する。(計算+データ+学習)融合による多階層シミュレーションにおいて,従来手法と同等の正確さを保ちつつ10倍以上の計算量・消費電力削減を目指す。
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研究実績の概要 |
東大情報基盤センターでは2021年5月に(計算+データ+学習)融合のプラットフォームであるWisteria/BDEC-01が運用を開始し,本研究でこれまで開発してきた(計算+データ+学習)融合を実現する革新的ソフトウェア基盤「h3-Open-BDEC」の様々な機能を検証するとともに,ソフトウェアの改良を実施した。「変動精度演算に基づく新計算原理」層では,低精度・混合精度演算に加えて,FP21,FP42等の変動精度演算手法の研究開発を進め,様々な実問題に適用した。「(計算+データ+学習)融合」層では,多重格子法,時空間並列化手法,4次元変分法データ同化手法,階層型データ駆動アプローチ(hDDA)の研究開発を継続して実施した。データ同化については,地震シミュレーションを対象として,レプリカ交換モンテカルロ法によるパラメータ探索,および4次元変分法を用いたプロセス駆動型データ同化の高速化を実施した。「統合・通信・ユーティリティ」層については,2020年度までに整備した異機種間通信ライブラリ「h3-Open-SYS/WaitIO」,多機能カプラー「h3-Open-UTIL/MP」をWisteria/BDEC-01に実装,地震シミュレーション,全球大気シミュレーション等により検証し,「(計算+データ+学習)融合」実現への見通しを得た。
論文発表16件(査読付き:16,国際共著:5),学会発表63件(招待講演:9,国際学会:25)の他,片桐教授(名古屋大)を中心として,本研究メンバーの多くが著者として加わった「ソフトウェア自動チューニング 科学技術計算のためのコード最適化技術」を刊行した。2021年11月30日・12月3日に国際シンポジウムをオンラインで実施し,メンバーによる発表の他,6件の招待講演(うち海外より4件)を実施,国内を中心に約50名程度の参加があった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度までに,革新的ソフトウェア基盤「h3-Open-BDEC」の基礎設計,プロトタイプ開発・検証,ソフトウェア環境の整備を実施し,2021年5月から運用を開始した,Wisteria/BDEC-01への実装,検証,改良を実施した。h3-Open-BDECの開発,整備は予定通り進んでおり,Wisteria/BDEC-01上での(計算+データ+学習)融合実現に向けた準備は整っている。また,高性能数値アルゴリズム,省電力手法,精度保証,自動チューニング,データ解析・データ同化手法,階層型データ駆動アプローチ,統合実行環境等の基礎的な研究開発を実施し,成果を国際会議等で発表した。(計算+データ+学習)融合,それを実現するためのヘテロジニアスなスーパーコンピューティングシステムは欧米を始めとして世界中でその重要性が唱えられているが,実運用に至っているシステムはWisteria/BDEC-01が世界でも初めてであり,また統一的なソフトウェア基盤としてもh3-Open-BDECがその先駆的な存在である。このような観点から,本研究の重要性は各方面から注目されており,国内外における招待講演の機会も増加している。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度以降は,これまでと同様に基礎的な研究開発を継続して実施し,革新的ソフトウェア基盤「h3-Open-BDEC」の更なる高度化を実施する。大気海洋連成シミュレーション,観測データ同化による長周期地震動リアルタイム予測,数値流体力学コード高度化に加えて,更に様々な(計算+データ+学習)融合アプリケーションに適用し,ソフトウェアの改良を実施する。2021年度は,h3-Open-SYS/WaitIO,h3-Open-UTIL/MPを使用した(計算+データ+学習)融合は限定されたユーザーに対する試験的な実施であったが,2022年度からは一般ユーザーも利用可能となるよう,ソフトウェアの検証と利用制度整備を実施している。また,h3-Open-BDECを国内の様々なスーパーコンピュータシステムへデプロイし,(計算+データ+学習)融合の普及を図る。類似のハードウェア構成を有する名古屋大学の「不老」システムでは既に試験的な評価を実施している。更にJHPCN(学際大規模情報基盤共同利用共同研究拠点)等の公募型課題にスパコン利用者と共同提案し,共同研究を推進し,(計算+データ+学習)融合とh3-Open-BDECの更なる普及に資する。また並行して,講習会を実施する予定である。
様々な疎行列を係数行列とする問題に対して,所望の条件下で計算時間,消費エネルギを最小とする,最適演算精度を自動的に決定する自動チューニング機構の研究開発については,「変動精度演算に基づく新計算原理」層と「(計算+データ+学習)融合」層の密接な協力により,低精度,混合・変動精度演算に関する検討を継続して実施する。
国際会議等で積極的に成果を発表し,情報交換の結果をソフトウェアの更なる改良,高度化に反映させる。また,海外の協力機関(アメリカ,ドイツ,ノルウェー,台湾)とも緊密に協力し,情報交換,ソフトウェア普及に資する。
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評価記号 |
中間評価所見 (区分)
A: 研究領域の設定目的に照らして、期待どおりの進展が認められる
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