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道具の心的モデルが空間認知の身体化プロセスを媒介するメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19J00072
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分10040:実験心理学関連
研究機関立命館大学

研究代表者

武藤 拓之  立命館大学, OIC総合研究機構, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2019-04-25 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2019年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード心的回転 / 空間認知
研究開始時の研究の概要

本研究は,身体動作とその結果を結びつける道具のイメージが空間的な思考を媒介する認知過程の解明を目指す。まず,空間的な思考における道具の心的モデルの役割を解明するために申請者が考案した手法の有効性を確認し,本研究の基本となるパラダイムを確立する。その後,道具の種類や身体動作のバリエーションを拡張し,道具の心的モデルが利用可能な条件の解明を目指す。さらに,道具の心的モデルに関連する動作の自発的な利用について詳細に検討し,心的モデルが獲得された状況を超えて道具のイメージが活用される可能性を探求する。

研究実績の概要

本年度は,心的に操作しやすい道具の性質を明らかにするために,物体の視覚的形態が空間認知プロセスに及ぼす影響に特に焦点を当てて複数の研究を実施した。これまでの研究では,人の身体に見立てられた物体は抽象物体よりも素早く心的回転できることが繰り返し報告されてきたが,本研究では,物体を人とは似て非なる動物(蛇)に見立てたときにも心的回転の処理速度が増すことを実験により明らかにした。具体的には,立方体から構成された物体のCGを用いて,物体の形状(人型か蛇型か)と顔の有無(人または蛇の顔が付いているか否か)を操作し,心的回転の成績を比較した。その結果,人の顔を付与することによって心的回転の実行速度が向上するという従来の知見の再現だけでなく,蛇の顔を付与したときにも人の顔を付与したときと同程度の促進効果が生じることが明らかになった。この発見は,1つのまとまりとして認識できるような物体であれば,それが人型であろうとなかろうと心的に操作しやすくなることを示すものであり,心的に操作しやすい道具の範囲を拡張することに成功したといえる。また,見慣れた文字の心的操作を実行する際に,人が2通りのプロセスを使い分けていることも明らかにした。傾いた文字が正しい文字であるか鏡文字であるかを判断する際,その文字を頭の中で回転させるプロセスが必要であると従来は考えられていたが,本研究では統計モデリングの手法を用いて,文字を心的回転させる場合とさせない場合の両方のプロセスを考慮することにより全体的な課題成績をうまく説明できることを明らかにした。この知見は,人が状況にあわせて適切に認知負荷の小さい方略を用いることができるという認知の柔軟性を示すものであり,また,道具を設計する際に道具の使用者が適用しうる方略について考慮することの重要性を示唆するものでもある。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

報告書

(1件)
  • 2019 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Mental rotation of cubes with a snake face: The role of the human-body analogy revisited2020

    • 著者名/発表者名
      Muto Hiroyuki、Nagai Masayoshi
    • 雑誌名

      Visual Cognition

      巻: 28 号: 2 ページ: 106-111

    • DOI

      10.1080/13506285.2020.1727598

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 心的回転におけるボディ・アナロジー効果は姿勢の内的模倣に媒介されるのか?──蛇型物体と人型物体の比較──2019

    • 著者名/発表者名
      武藤 拓之・永井 聖剛
    • 学会等名
      日本基礎心理学会第38回大会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] Effectiveness of body analogy for mental rotation in the oldest-old people2019

    • 著者名/発表者名
      Muto, H., Gondo, Y., Inagaki, H., Masui, Y., Nakagawa, T., Ogawa, M., Onoguchi, W., Ishioka, Y., Numata, K., & Yasumoto, S.
    • 学会等名
      The Psychonomic Society's 60th Annual Meeting
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 地域在住超高齢者における同居家族と空間的視点取得能力の関連──SONIC研究──2019

    • 著者名/発表者名
      武藤 拓之・権藤 恭之・稲垣 宏樹・増井 幸恵・小川 まどか・沼田 恵太郎・小野口 航・石岡 良子・安元 佐織・蔡 羽淳・松本 清明
    • 学会等名
      日本心理学会第83回大会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] 傾いた文字の正像・鏡像判断は本当に混合プロセスなのか?──WAICとベイズファクターによるモデル比較──2019

    • 著者名/発表者名
      武藤 拓之
    • 学会等名
      日本行動計量学会第47回大会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] How does body analogy help mental rotation? Disentangling bottom-up and top-down processes2019

    • 著者名/発表者名
      Muto, H.
    • 学会等名
      The 15th Asia Pacific Conference on Vision
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 国際学会

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公開日: 2019-05-29   更新日: 2024-03-26  

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