研究課題/領域番号 |
19J00120
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
葛西 太一 國學院大學, 文学研究科, 特別研究員(PD) (20869200)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 日本書紀 / 書記用文体 / 和漢比較 / 東アジア漢字文化圏 / 日本書紀区分論 / 和習 / 和化 / 古訓 / 古風土記 |
研究開始時の研究の概要 |
日本書紀は、広く一般に通用する書記用文体が大陸・半島・列島を問わず確立されていない時代にあって、なおかつ、国内においては数多くの渡来人を受け入れた多様な言語環境のもとにあって、文字記載という方法を用いて意味内容の伝達を試みた文献であると言える。その際に行われた表現上・修辞上の創意工夫は如上の困難な様相を反映したものであり、それゆえに、日本書紀には当時の多様な言語状況を書き留めた標本的な価値が認められる。本研究は、日本書紀の修文・成書の過程を解き明かすことにより本文研究の基盤構築を図り、その背景に認められる八世紀初頭の東アジアにおける文字・語彙・語法・文体の交流の実態を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本年度は、研究実施計画の最終年度として、とりわけ『日本書紀』と海外文献との交流に目を移し、どのような影響関係のもとに『日本書紀』が多様な語彙・語法・文体・修辞法等を受容したのか検討を進めた。当初は国内外での実地調査や学術交流を予定していたが、今般の新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延の影響を受けて実施が困難となった。そのため、近年発達の著しい古典籍のデジタルアーカイブやテキストデータを活用しつつ、本研究の目的の達成を図った。具体的な比較対象としては、漢籍における経典や史書のほか、『文選』『玉台新詠』に代表される六朝期の作品、『捜神記』『世説新語』『遊仙窟』をはじめとした小説類、『法苑珠林』『経律異相』等によって知られる仏教説話を含め、それぞれ直接的な表現の引用や潤色利用に限定することのない受容の様相を解明するべく取り組んだ。 本年度の具体的な研究実施状況とその成果としては、2021年6月20日に開催された古事記学会・風土記研究会(合同大会)にて「日本書紀の六合と葦原中国」と題した口頭発表を行ったことが挙げられる。たとえば、『日本書紀』では「オホヒルメ」や「天照大神」のようにアマテラスの呼称が統一されず、あるいは「葦原中国」や「豊葦原瑞穂国」のように神話的世界を表現する語彙も複数種が併用される。これら多様な呼称・表記を「六合」という表現が媒介することによって、皇孫の支配地にまで皇祖神たるアマテラスの霊威が及ぶことを表現する文脈のあることを指摘した。本研究の目的に即して言えば、「六合之中心」と表現される場合の「中心」が漢訳仏典に特徴的な用法として学んだ可能性のあることを確認した点、漢訳仏典の受容を捉えるうえで一つの端緒となる発見だった。本発表の内容は、古事記学会の学会誌である『古事記年報』第64号(2022年3月刊行予定)に掲載される予定である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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