研究課題/領域番号 |
19J00126
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
|
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
鎌田 祥一 東京都立大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(PD) (50898252)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | ナップザック暗号 / 部分和問題 / 低密度攻撃 / 加法的組合せ論 / 極値組合せ論 / 組合せ論的整数論 / 組合せ論 / 加法的整数論 / 格子問題 / フラクタル次元解析 / 多重フラクタル次元解析 |
研究開始時の研究の概要 |
NP困難な問題は量子計算機が実現したとしても解くことが難しいと信じられている。部分和問題はNP困難であるものの、ナップザック暗号など部分和問題に基づく暗号のほとんどは解読されている。基本的に、部分和問題の困難性は密度と呼ばれるパラメータに依存している。 本研究では、密度とフラクタル次元の類似性に注目する。「正しく」定義されたフラクタル次元たちを通し、より広い視野で密度を捉え直す。部分和問題の組合せ構造をフラクタル次元解析を通して明らかにし、暗号においてこの問題の困難性を保存するための1つの道筋を与える。本研究はフラクタル次元解析を一般の暗号で用いるための基盤を確立するという側面をも併せ持つ。
|
研究実績の概要 |
本年度も引き続き、ナップザック暗号の安全性評価の基礎となる部分和問題の求解困難性、特に、低密度攻撃に関する数学的研究を推し進めた。 低密度攻撃は部分和問題の解を格子ベクトルに対応させ、最短ベクトル問題などの格子問題に対応させて解くことである。昨年度までに組合せ論(加法的組合せ論や極値組合せ論など)を意識し、部分和問題の解に対応する格子ベクトルをこれより短い格子ベクトルでカモフラージュするために必要な条件をヒューリスティックとして与えた。密度がより大きい場合の低密度攻撃による攻撃可能範囲が広がった。ただし、攻撃の計算時間は多項式時間とは限らず、効率的ではない可能性があることに注意する。これを量子公開鍵暗号として有名なOTU暗号に適用したところ低密度攻撃に耐性のある構成方法がないことがわかった。 本年度はこの結果を国際会議CECC2021で発表を行った。この結果は学術雑誌に投稿中で査読結果待ちである。この結果に至るまでには1990年のCameronとErdosによる組合せ論的整数論の論文が参考になった。この論文では様々な特定性質を持った正の整数の集合の個数評価がHausdorff次元というフラクタル次元で特徴付けられることが記されている。このような個数評価はナップザック暗号の公開鍵の個数評価に直結し得る。この論文の紹介とCECC2021で発表した内容は第4回金沢暗号理論勉強会でも発表を行った。 ナップザック暗号が安全となるための低密度攻撃の真の限界は純粋数学を意識してはじめて理解されるものと研究代表者は予想している。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|