研究課題/領域番号 |
19J00229
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
仁木 隆裕 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | スフィンゴミエリン / 細胞内膜輸送 / 脂質 / 神経突起伸長 / シグナル応答 |
研究開始時の研究の概要 |
我々の体を構成する細胞は、多種多様な脂質から成る生体膜で形成されている。生体膜を構成する主要な脂質であるスフィンゴミエリン(SM)は、神経系細胞に豊富に存在して脳神経系の機能に重要な役割を担うと考えられている。しかし、神経組織内でのSMの詳細な分布や機能については不明な点が多い。これらを明らかにしていくには、脳神経系でSMがどのような挙動を示すかを追跡する技術が必要である。そこで、本研究では、申請者が独自に開発した新規技術や知見、すなわち、SMの可視化・SMの操作・SMと作用しうるタンパク質の同定法などを駆使して、神経系細胞の伸長や再生をモデルとしたSMの新規機能を探索する。
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研究実績の概要 |
生体膜の主要な構成脂質であるスフィンゴミエリン(SM)は、神経系細胞に豊富に存在し、脳神経系の機能発現に重要な役割を担うと推察されているが、神経組織でのSMの細胞内局在・細胞内領域特異的な作動機序については不明である。前年度までの報告で、独自に開発したSMプローブを応用することで、神経系細胞、特に伸長過程にある神経突起という微小領域において細胞内SMを可視化することに成功し、その詳細な分布および膜動態を明らかにした。また、神経突起伸長に関わる重要な因子である、細胞質カルシウムイオン(Ca)濃度の上昇に伴って細胞内に膜輸送制御タンパク質が濃縮したSMマイクロドメインが形成されることを見出した。さらには、Caシグナルという短時間の現象の中で、SMマイクロドメインに濃縮されるタンパク質を網羅的に同定する新規手法を確立し、濃縮に関わる候補因子を見出した。 当該年度では、より詳細に細胞内領域特異的なSMの機能を知るため、領域特異的かつ瞬時にSMの量や局在を操作する手法の開発を目指した。結果、細胞内にSM分解酵素断片を予め発現させ、薬剤添加または光刺激依存的に標的膜上で再構成するという手法の開発に成功した。これにより、細胞内SMを生細胞内の特定の微小領域のみで即時的かつ可逆的に除去・回復できるようになった。この新規手法を応用し、上記SMマイクロドメインを構成する分子、すなわち各種膜輸送制御因子や細胞内Ca制御分子の細胞質側領域へのSM分解酵素の再構成を行ったところ、神経成長の膜動態を生み出す主要な細胞骨格制御シグナルにSM・SM代謝が関与しうることを見出した。また、代謝産物および内在性のSM分解酵素がこれら膜輸送制御因子と協調的に機能する可能性も見出している。以上、本研究から、細胞内SMは濃縮や代謝を通じて、外来刺激に呼応した細胞内膜輸送やシグナル伝達の場を提供するものと考えられる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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